横に長い静岡県は東部、中部、西部と3地区に分かれているが、有力校はどうしても人口の多い静岡市のある中部地区に集中しがちだ。そんな中で2021年の静岡県では三島南加藤学園という東部地区の2校を推していきたい。

地域密着で21世紀枠の県推薦校となった三島南


 秋季県大会の準々決勝で県内1の名門・静岡に、なかなか勝てなかったのだが、ついに勝利してベスト4に進出。準決勝と3位決定戦では惜しくも敗れて悲願の東海大会進出は果たせなかったものの、21世紀枠の県推薦校となった。

 静岡戦では、徹底した研究の末に、とにかく外野陣は草薙球場でフェンスギリギリのところで守っていた。その結果として、その守りも功を奏して大型打線の静岡に対して18飛球と狙い通りだった。右横手投げの植松 麟之介君は130キロにも及ばないストレートだが、低めに丁寧に投げていく投球で、静岡打線を交わしていった。

 また、背番号1ながら主にリリーフの前田 銀治君は3番センターで出場することが多い。マウンドに登れば140キロ近いストレートが武器だ。「来年には、常時140キロをマークできるようにしたい」と、冬の目標はスピードアップだ。そのために筋力をつけていくことも課題としている。

 ちょうどこの年のチームが創部100年目を迎えることとなる。「その年に、これまで以上の実績を残したい」という稲木恵介監督は就任以来、手作りでダッグアウトやブルペンなども含めてグラウンドを整備してきている。また、そのグラウンドに小学生を招いて「野球体験会」なども開催して、野球のすそ野を広げていくことと地域活動に貢献している。「ウチの子たちはみんな、地元の子ばっかりですよ」と稲木監督も言うように、まさに、地域密着型の公立校である。まさに、地域で愛される高校野球チームでもある。

2年連続東海大会進出を果たした加藤学園



加藤学園・樋口巧

 今春悲願のセンバツ出場春夏通じての甲子園出場を果たしながらも、センバツは新型コロナの影響で中止となり夢にまで見た初舞台が奪われた。そのショックも尾を引いたのか、夏の選手権大会の代替えとして開催された夏季大会では初戦で敗退。それでも、センバツ出場校に与えられた甲子園での交流試合に出場出来ることになって、もう一度気持ちを作り直し、1年生の太田 圭哉君を起用するなどチーム編成も大胆に切り替えて、鹿児島城西に勝利した。

 これを一つの実績と自信として挑んだ新チームは東部地区予選では1位となり県大会進出。県大会でも静岡商磐田東と下してベスト4。準決勝では、昨秋の決勝を競った藤枝明誠とまみえて敗れたものの、3位決定戦をクリアして2年連続東海大会進出を果たしたのはさすがだった。

 前チームに比べると、投手陣は大黒柱が不在の分やや心もとないところもあるが、東海大会でも県決勝でも4人、5人と繋いでいきながら対応。米山学監督は、この中から一冬超えて抜け出てくる存在を期待している。その一番手候補としては左の樋口巧君か、1年生ながら長身の石山拓真君と言ったところだろうか。また、その投手陣を引っ張る雨宮快成君は前チームからの経験もあり、チームリーダーとしての期待も高い。

 これらが上手く噛み合っていけば、来年の加藤学園は、さらにもうひと暴れしていきそうな雰囲気を十分に感じさせている。