打倒・中京大中京!球国愛知の2021年の注目チームは古豪・国府と全三河Vの日本福祉大附
コロナ禍とはいえ、秋季大会は東海4県すべてで予定通り開催することが出来た。また、東海地区大会も、無観客という形ではあったものの、予定通りに国体リハーサル大会として三重県で終えることが出来た。そんな秋季大会から、来季の躍進が期待されるチームを拾ってみた。(文/手束仁)
愛知県での一推しチームとしては、好左腕投手を擁して安定した戦いぶりを示し、21世紀枠の県推薦校に選出された東三河地区の国府。さらには11月の全尾張大会を初めて制した知多地区の新鋭勢力として近年躍進著しい日本福祉大付だ。
16強入りを果たした東三河の古豪・国府
全三河大会を3位で終えた国府
夏のチームからエースとして登板経験の豊富な左腕・足立進悟君がチームを引っ張るが、この秋は東三河地区予選では、足立君がケガなどもあってやや出遅れていた。一次トーナメントの代表決定戦で豊橋中央に敗れて、第5代表戦も成章にも大敗した。それでも、第7代表決定戦で豊丘を下して進出した県大会では安城に完封勝ち。さらに2回戦でも夏の準優勝校の愛産大工に完封勝ちしてベスト16に進出。享栄には力負けしたものの、その戦いぶりが評価されて愛知県の21世紀枠推薦校に選ばれている。
秋季大会後の全三河大会ではすっかり足立君も調子を上げてきて、西三河1位の豊田大谷を下し、成章にも東三河地区予選のリベンジを果たして4強入り。3位決定戦でも東三河の強豪で一昨年夏の愛知大会準優勝の桜丘に競り勝つなど勝負強さを示した。
県大会終了後に前任の大城崇紀監督を引き継いだ岡本篤史監督は今春に豊橋工から異動してきたが国府OBでもある。豊橋工時代には責任教師として21世紀枠代表の甲子園出場の引率もしている。「チームの雰囲気は、その時に負けないくらいにいいものになっている」と、手ごたえを感じている。
国府としてはかつて1975年にその後中日入りする青山久人投手と東海大を経て大洋(現DeNA)入りする市川和正捕手のバッテリーで甲子園出場も果たしたという歴史もある。その伝統も岡本監督は今の生徒たちにも伝えていきながら、令和の時代に新たな歴史を築いていきたいという意欲を示している。
この冬に、打線のパワーアップを図ることが出来たら、足立君と加藤駿介君のバッテリーがしっかりとしているだけに期待はさらに膨らんでいく。攻撃でキーを握る存在となりそうなのはリードオフマンの鈴木快晴君だろうか。
[page_break:全尾張大会を制した日本福祉大附]全尾張大会を制した日本福祉大附
全尾張大会優勝した日本福祉大附
チーム始まって以来の優勝を飾ったこの秋の第130回全尾張大会。地域大会とはいえ誠信、大府と言った強豪や伝統校を下しての栄冠はチームとしては大きな自信となった。かつて鹿児島県の神村学園で甲子園出場などの実績もある山本常夫監督が請われて就任して3年目。当初はいくらか戸惑いのあった選手たちも、徐々に山本イズムというか、甲子園を目指して戦っていく姿勢とはどういうものかということを実感していくようになってきた。
そしてこの秋、知多地区予選では決勝で大府に敗れたものの2位校として県大会進出し、夏のベスト4の一角だった愛知黎明を下して3回戦では、準優勝する東邦に敗れはしたものの5対6と1点差。この戦いぶりもチームには大いなる自信になっていったようだった。山本監督も、「東邦に負けたんは悔しいですけれども、自分たちのやることやってきたら、ここまでやれるんやと言うことは実感してくれた」ということも実感していた。
そして、その後の全尾張大会決勝では、大府に6対0と快勝して秋季県大会地区予選の雪辱を果たした。左腕・松山海大君の好投に対しては、「こんな素晴らしいピッチング初めて見せてもろた」と山本監督も舌を巻くほどの内容だった。4安打完封で、投げながらさらに自信を得ていったという感じすらあった。この勝ちはチームとしても、松山君自身としても大きな自信となっていったであろう。
打線も、センスのいい1番・石川智暉君や2番打者らしくないと言われているパンチ力のある中村隆太君ら個性的だ。さらにトレーニングを積んで、一冬超えた来春にはどうなっているのか、ますます楽しみである。