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東京を盛り上げる都立の逸材。通算10本塁打以上の大型捕手、私学を破った好投手などタレント揃い【前編】

2020.12.24

 秋季都大会は東海大菅生の優勝で終えた。今回、ベスト16入りした都立校は都立小山台都立日野の2校だ。だが、楽しみな選手は非常に多い。そんな2校の逸材を紹介したい。

小山台の逸材を紹介!

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森村輝(都立小山台)

 まず都立小山台の逸材からだ。今秋は帝京相手にコールド勝ち、日大三相手に0対1の1点差の接戦を演じた。その中で最も注目したいのは正捕手の森村輝だ。180キロ・74キロとバランスの良い体格から力強いスイングを魅せ、高校通算15本塁打。キャッチャーとしてもフットワークが良く、矢のような二塁送球を見せる。

 福嶋監督も「上(大学)でもやっていける選手です。チームで一番足も速くて、一番肩も強い」と高く評価。近年、都立小山台の躍進もあり、入学する選手の水準も高まってきたが、野手としてはトップレベルの逸材であることは間違いない。

 エースの木暮 瞬哉投手(2年)は夏の東東京大会でも好投したサイドスロー林昌勇を参考にフォームを固め、130キロ前後のストレートをコーナーに投げ分けるさらに低めに集まる110キロ前後のスライダー武器に日大三打線を1点に抑えた都内屈指の技巧派右腕だ。

 そしてもう1人挙げたいのが三塁手・佐藤克哉。福嶋監督から「三塁・佐藤もいいですよ。結構力のあるストレートを投げるんですよ」と都大会のときに話を聞いていたが、野球部の取材で、初めて投球を見る機会があった。やはり魅力は断然、投手だ。180センチの長身から投げ込む速球は最速135キロ。佐藤の良さは縦回転で使える投球フォームだということ。上半身の使い方が非常によく、胸郭を使って、振り下ろす投球フォーム。将来的には140キロ以上を投げる可能性もあり、プロ入りした伊藤優輔(巨人)みたいな成長を期待したい。

[page_break:日野の逸材を紹介!]

日野の逸材を紹介!

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木下孔晴(都立日野)

 そして都立日野の逸材を取り上げたい。都立日野都立小山台の仲は良好で、毎年定期戦を繰り広げる中で、11月末にも練習試合を行った。この秋、16強の立役者となったのはエースの木下孔晴だ。ギリギリまで開きを抑えた投球フォームが特徴的で、伸びのあるストレートは130キロ台を計測。嶋田監督からの信頼も厚いチームの大黒柱となった木下投手はさらなる成長に余念がない。変化球でストライクが取れる投手になることを目指している。

 さらに、主砲・島叡司も注目だ。真横にバットを引いてきっちりトップを作った状態から思い切りよくバットを振り抜く都立日野を牽引するスラッガー。現在はスイングスピードを速くすることをテーマに挙げ、都立日野の4番にふさわしい活躍を魅せる。

 1年の左の強打者・廣岡太平も注目。1年生ながら都立日野の中軸を担う将来性のあるスラッガーで、秋季大会では打率.400をマーク。出塁率はチームトップ.538を記録。吉田正尚選手(敦賀気比出身)を参考にした大きなフォロースイングが特徴的だ。課題は勝負強い打者になること。一冬超えて本塁打を打てる打者となっているか注目だ。

(記事=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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