夏に続き秋も優勝した東海大菅生

 東大会優勝の帝京と西大会優勝の東海大菅生は、気持ちのこもった熱戦になった。

 帝京の先発・田代 涼太は、最高の投球をして、東海大菅生打線を抑え、2対0と帝京が2点をリードして9回表の攻撃を迎える。

 二死二塁で、田代は中前安打。二塁走者が本塁を突いたが、新チームの主将になる中堅手の栄塁唯が、矢のような本塁送球で刺す。しかしこの送球で栄は右腕を負傷し、秋季大会では試合に出られなかった。その裏東海大菅生は、森下 晴貴の三塁打で同点に追いつき、臼井直生の中前安打でサヨナラ勝ちした。

 この大会、3年生に配慮するチームのある中で、東海大菅生帝京も実力主義を貫いた。それでも高校生活最高の投球をした帝京の田代、最後に勝負決めた東海大菅生の森下や臼井……。甲子園はないけれども、3年生が輝いた夏だった。

有料観客試合で行われた秋季都大会

 高校野球ファンにとっては、今年は試合を観戦する機会がなかったが、秋季都大会は有料観客試合として行われた。首都圏で今年、一般の人が観戦できたのはこの大会だけ。感染者の多い東京で、一般開放ができたのは、夏の独自大会での実績と、既に観客入れて行っている東京六大学野球などからノウハウを得ることができたことが大きい。

 入場時の検温や、メールアドレスの提出など、感染拡大防止のための協力を求められたが、球場には東京以外からも観戦に来た人が少なからずいた。特に神宮球場で行われた準決勝と決勝戦は、早朝から長蛇の列ができた。

 入場者の上限は、準々決勝までは5000人であったが、準決勝からは1万人になった。しかし、東京の1日の感染者が連日300人を超える中、準決勝、決勝戦とも観衆は5000人だった。やはり感染を警戒する人がいるのも確かだ。それでも有料観客試合は、高校野球が日常の姿を取り戻す第一歩になったはずだ。

 またコロナの感染の拡大が続いている。来年についても状況は不透明だが、誰もが高校野球を楽しめる年になってほしいものだ。

(記事=大島 裕史)


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