第134回 セカンド送球1.8秒台の強肩!強打の捕手・関本勇輔が大事にしてきた1球の重み2020年08月17日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

 セカンドスローが1.8秒台をマークする強肩に加えて、ストライク送球の正確なスローイング。1試合で世代を代表するキャッチャーだと証明するプレーだった。

 履正社星稜の昨夏の決勝と同一カードは履正社が10対1で制した。そこで一際輝きを放ったのが関本 勇輔だった。

圧倒的な日本一を叶えるのも日々の1球から



関本勇輔(写真は10月26日の秋季近畿地区大会から)

 元阪神タイガースで代打の神様とも称された、関本賢太郎氏が父であることで有名な関本。星稜戦は5打数2安打1打点、そして守備では星稜が仕掛けてきた3度の盗塁をすべて刺して、先発・岩崎 峻典を救うプレーを甲子園で発揮した。

 特に6回の盗塁を刺した場面では、左打者の内角低めに沈む変化球と、セカンドに投げるのが難しいボールをきちんと捕球してから正確に投げ込んでアウト。タイムは2秒かかったが、コントロールされたボールでアウトをもぎ取った。

 肩の強さを見せつけた瞬間だったが、ステップを見ると右足から強く蹴りだすようにステップを入れることで勢いを付けていることがわかる。自身の持っているポテンシャルだけではなく、下半身の力も借りながら投げていくことで強いボールを投げ込んでいた。

 さらに7回には3度目の盗塁を仕掛けられるも、1.8秒を記録しながらもストライク送球でアウト。素晴らしいプレーだったが、ステップだけでは素早くかつ正確にセカンドへ送球することは難しい。そこには日々の鍛錬の成果があってのことだが、関本に意識していることを聞くと、返ってきたことはシンプルだった。

 「キャッチボールからしっかりと意識をもって取り組むことです。1球1球全力で投げていくことが、自分の中では大事になっています」

 圧倒的な日本一という目標を掲げて戦ってきた履正社星稜戦ではその姿を全国に見せる結果ではあったが、そんな大きな目標であっても、1つ1つやるべきことは他のチームと変わらない。小さな積み重ねでも高い意識を持ち続けることが必要なのだ。関本にとってはキャッチボール1つからしっかりと意識をもってできたからこそ、星稜戦で3つの盗塁をさせたのだ。

 大阪の独自大会ではチームを引っ張ることだけで精いっぱいだったことを反省した関本。しかし甲子園交流試合では落ち着いてプレーすることを考え、全国の舞台で結果を残した。

 強豪・履正社の4番捕手で主将という重責に見合う活躍をした関本。既にプロ志望を表明しているが、これからのステージでどんな捕手となるのか。関本の今後の成長を期待したい。

(取材=田中 裕毅)

関連記事
「今だからこそ両親に感謝しなさい」 帝京の前田三夫監督が3年生たちへメッセージ
9年ぶりの甲子園を狙う帝京。復活の予兆を見せた裏側に迫る
3年生に託した9回の攻防 臼井の執念のサヨナラ打で東海大菅生 東京の頂点に立つ!

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第30回 強豪校の練習映像多数!これまで視聴された高校野球ドットコムYouTube人気ランキングTOP10【高校野球ドットコム 人気記事ランキング】
第30回 ドラフト裏話から選手、大会情報だけでなく先生の異動事情も読まれた人気コラムTOP10!【高校野球ドットコム 人気記事ランキング】
第1023回 甲子園がなくてもハイレベルで激戦だった2020年の近畿地区【近畿・総括】【大会展望・総括コラム】
第111回 21世紀枠推薦校・山田(大阪)が履正社を破り、近畿大会に出場した裏側とは【後編】【野球部訪問】
第110回 履正社を破って近畿大会へ!旋風を巻き起こした山田(大阪)の走力は逆転の発想から生まれていた!【前編】【野球部訪問】
大阪桐蔭vs履正社【大阪府 2020年秋の大会 秋季近畿地区高校野球大会 大阪府予選】
履正社vs大阪商業大高【大阪府 2020年秋の大会 秋季近畿地区高校野球大会 大阪府予選】
履正社vs星稜【2020年甲子園高校野球交流試合】
履正社vs信太【大阪府 令和2年大阪府高等学校野球大会】
履正社vs大阪桐蔭【大阪府 令和2年大阪府高等学校野球大会】
第1072回 激戦区・大阪府予選がターニングポイントに 甲子園決勝では緊張より楽しかった 岩崎峻典(履正社)【後編】 【2019年インタビュー】
第1071回 夏の甲子園初優勝へと導いた岩崎峻典投手(履正社)が急成長した理由とは【前編】 【2019年インタビュー】
第1059回 ボールの見極めをチームで徹底し、悔しい敗戦を糧に頂点までのぼりつめた 井上広大【後編】 【2019年インタビュー】
第1058回 井上広大(履正社)が最強の4番打者になるまで。奥川と対戦して自分の無力さを知った【前編】 【2019年インタビュー】
第1011回 不屈の闘志を胸に 西谷野球の体現者、中川卓也(大阪桐蔭-早大)という男【後編】 【2019年インタビュー】
関本 勇輔(履正社) 【選手名鑑】
履正社 【高校別データ】

コメントを投稿する

コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム