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今年初の公式戦を飾った早稲田実業は全国レベルのチーム!清宮弟など主力選手を徹底紹介!

2020.07.29

 初戦突破を決めた早稲田実業。今年の早稲田実業は全国の強豪校の中で、秋、春も経験していない夏で公式戦1試合目を迎えたチームだ。清宮幸太郎の弟・福太郎に注目が集まるが、それ以外にも全国レベルの選手が多いのが特徴だ。そんな今年の早稲田実業の戦力について語っていきたい。

全国レベルの打者がそろう強力打線の破壊力は都内屈指

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清宮幸太郎の弟・福太郎

八王子戦で5本塁打。広い八王子球場でこれほどの本塁打を記録するのだから、やはり西東京でもトップレベル。
まず清宮福太郎八王子戦で場外本塁打を放ったが、兄とは違い、捕手寄りのポイントで、本人によると高校通算8,9本塁打程度だが、パワーそのものは兄を超えるものがあるのではないか。実際に見てみて高校2年世代ではトップレベルのスラッガーとして印象付けただろう。

 清宮の周りには強打者が多い。まず八王子戦で2本塁打を放った北村広輝は読みの鋭さが光る強打の二塁手。スクエアスタンスで構えて、無駄な反動をつけることなく、インサイドアウトのスイングでボールをとらえることができており、高いコンタクト能力を秘める。

 2本塁打の場面を振り返っても、八王子の左腕・溝口雄大の内角直球を読み切って、捉えた豪快な当たりだった。現在、高校通算14本塁打。攻守ともに見逃せない選手だ。本塁打を放った2番・梅村大和も陰に隠れがちだが、小力があるスラッガーで侮れない左打者。

 3番・宇野竜一朗はU-12代表経験があり、市川シニア時代でもシニア日本代表に選ばれ、中学時代から130キロ後半の速球を投げられた投手だった。一度、市川シニアの練習を見に行った時、別格の体格、ストレートを投げていた。高校では野手としての才能を伸ばしており、八王子戦では左中間へ大きく伸びる当たりを放った。小さいステップで、振り幅が大きいスイング軌道でボールをとらえる。リストが非常に強く、かなり打球が伸びるのが特徴。また投手としても130キロ後半の速球、120キロ中盤のスライダーを投げ分けるが、現時点では野手としてのパフォーマンスが光っている。

 西口純生は清宮に劣らない体格を持った右のスラッガーで、逆方向にも鋭い打球が飛ばせる。芯に当たれば簡単にスタンドインできる怖さがある。

[page_break:宇野、菊地、田和と右の速球派が揃う]

宇野、菊地、田和と右の速球派が揃う

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田和廉

 一方、投手陣では宇野のほかに背番号1をつけた菊池 笙太郎は1年生の時と比べると球速もアップし、常時130キロ後半・最速142キロをマーク。真上から振り下ろす角度をつけた投球フォームで、しっかりと指にかかったときは、なかなか打てないものがあり、120キロ後半の高速スライダーの切れ味も良い。ただ、ばらつきがあるのが課題。

 田和廉徳山壮磨のようなステップから、打者寄りでリリースができる右のスリークォーターで、常時130キロ中盤・最速138キロの速球は回転数が高く、再現性の高さは投手陣の中でも一番。120キロ前半のスライダーを低めに投げることができており、八王子戦の大一番で先発を任されるのも理解できる総合力の高さがあり、2回戦の八王子実践戦で、5安打完封勝利。八王子戦と合わせて、13回連続無失点である。まだ2年生で、2021年の西東京を代表する右腕になる可能性がある。

 また130キロ前後の速球を投げ込む三ツ木 彩文も安定感のある投球が持ち味の投手だ。

課題は守備・走塁の連携や判断力、カバーリングか

 ただ実戦からかなり離れていたということもあって、まだ守備面で不安があり、ミスをした後のカバーリングがやや甘い。傷口をどう最小限にとどめるのか。投手陣は枚数はいるが、絶対的なエースはいないだけにカバーリングなど守備で盛り立てる意識でいきたい。

 実力的にはやはり西東京でも指折りのチームであり、ムラがあるチームだが、そのポテンシャルの高さを発揮できれば、優勝を狙える戦力だと感じた。これから主力選手は実力を発揮できるか。また八王子戦の9回では控えに回った3年生が代打として結果を残したように、勝負所の3年生たちの底力も見逃せない。

 何度も見たくなるような魅力を持ったチームであることは間違いない。

(記事=河嶋宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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