Column

あの名将があの高校へ!元U18日本代表監督や横浜高校など、この春にあった主な人事異動一覧 

2020.04.11

  4月は人事異動により、新監督の就任がよく話題になる。高校野球ドットコムでは改めて話題の監督就任、異動を紹介していきたい。

侍ジャパンU18代表の永田監督は新天地へ

あの名将があの高校へ!元U18日本代表監督や横浜高校など、この春にあった主な人事異動一覧  | 高校野球ドットコム
永田裕治氏

 まず前報徳学園・永田裕治監督の就任が話題となった。永田監督は1994年に監督に就任。春夏合わせ18度の甲子園に出場し、甲子園通算23勝。2002年センバツでは全国制覇を成し遂げた。

 その期間、数多くのプロ野球選手を輩出し、広島東洋カープの期待のショート・小園海斗選手のクラス担任でもありました。永田監督は部員100人超える報徳学園でも、全員が同じ練習を行う全員野球を徹底。1人あたりの練習時間は減るものの、1球当たりの集中力は増し、練習の効率が良くなり、選手の力量を大きく伸ばすことに成長した。

 こうした実績が評価され、2018年から侍ジャパンU-18代表の監督を2年間務めた。

 4月1日から就任した日大三島は春夏連続で1度甲子園に出場しており、2017年には静岡大会準優勝している。永田監督の就任で甲子園を毎年狙えるチームに成長できるか注目したい。

 石岡一は2009年に、川井政平先生が監督に就任してから強くなった。川井監督は波崎柳川時代にも、関東大会出場を導いた実績があり、高い指導力を発揮し、2016年春にはじめて関東大会出場。そして昨春は21世紀枠でセンバツ出場するなど、近年はコンスタントに県内上位に食い込むほどの強豪となった。

 川井監督は竜ヶ崎一に赴任。竜ヶ崎一は、過去に夏の甲子園9回、春1回出場の古豪。昨夏、昨秋秋ともにベスト8入りと、上昇傾向にある竜ヶ崎一をどう強くできるか注目だ。

あの名将があの高校へ!元U18日本代表監督や横浜高校など、この春にあった主な人事異動一覧  | 高校野球ドットコム
大野 康哉氏

 大野 康哉監督の松山商の監督就任も話題だ。
 今治西での15年間で春6回・夏5回の甲子園出場に導き、2007年には熊代 聖人(埼玉西武ライオンズ)らを擁し秋田国体優勝を成し遂げている。

 松山商は、甲子園春20勝(16回出場・全国制覇2回)夏60勝(26回出場・全国制覇5回)の輝かしい実績から「夏将軍」の異名を持ちます。就任する大野監督は「松山商は19年間(2001年夏甲子園ベスト4)甲子園に出られていない現状があるので、甲子園出場へ向けて頑張りたい」とコメント。再び聖地に戻ることができるか。

 これまで松山商の監督だった重澤和史監督は今治西出身で、2009年夏の大会後から監督に赴任。重澤監督は川之江高時代、2002年には鎌倉健(元日本ハム)を擁し、夏の甲子園4強入りの経験があり、松山商では2012年春、2017年春には県大会準優勝。そしてドラフト候補として注目される堀田晃投手(西濃運輸)など多くの好選手を育ててきた。赴任先は2006年にセンバツ出場経験のある今治北だ。

[page_break:北大津を強豪校に育て上げた宮崎監督も新天地へ]

北大津を強豪校に育て上げた宮崎監督も新天地へ

あの名将があの高校へ!元U18日本代表監督や横浜高校など、この春にあった主な人事異動一覧  | 高校野球ドットコム
宮崎裕也氏

 彦根総合の監督に就任する宮崎裕也監督は北大津時代、春夏合わせて6回の甲子園に出場した滋賀県の名将です。2004年には元福岡ソフトバンクの中西健太選手を擁して初の甲子園出場。そして2008年には中日の石川 駿選手など強打者を多く揃え、横浜を破るなどベスト16入り。強烈な印象を残した。その後も大学、社会人で活躍する選手を輩出。安曇川(あどがわ)の顧問を務めながら、この春から彦根総合の監督に就任。

 彦根総合は昨秋、昨夏ともに初戦敗退。宮崎監督の就任でどうチームが変わっていくのか注目だ。

 磐城といえば、過去に夏7回選抜2回。1971年には甲子園準優勝を果たしている伝統校。1995年夏を最後に甲子園から遠ざかっていましたが、2014年、木村保監督の就任で着々と強化。県ベスト8進出するなど結果が出ていました。そして昨秋は東北大会に出場し、ベスト8。こうした実績が認められ、21世紀枠でのセンバツ出場を成し遂げました。
 しかしコロナ感染拡大の影響で、選抜は中止となり、異動が決まった。
 異動後は、指導者ではなく、高野連の職務に関わり、県内の高校野球底上げに関わっていく。

 そして磐城に新しく赴任する渡辺純監督はいわき光洋時代、2014年春には東北大会に出場するなど、たびたび顔を出し、2017年夏は高校通算48本塁打の園部圭太選手(BC福島)を擁し、福島大会準優勝と実績を残しました。
 新生・磐城はこの夏、どんな活躍を見せるのか楽しみだ。

 糸満に赴任する眞玉橋元博監督は、赴任した学校で甲子園、九州大会に出場できる強豪に育て上げる実績を持っており、沖縄県を代表する指導者として有名だ。

 まず嘉手納高校時代、2009年秋に九州大会優勝を果たし、そのまま明治神宮大会に出場し、翌2010年に選抜大会に出場。2013年4月に美来工科に異動し、着々と実力をつけていくと、2016年秋は県大会優勝を果たし、九州大会出場。2017年夏は決勝進出し、惜しくも準優勝に終わったものの、毎年県内上位を狙えるチームへ成長。そしてこの4月から2011年夏、2015年春に甲子園出場している糸満へ。糸満もこの春、県大会ベスト8進出しており、眞玉橋監督の就任で、甲子園を狙えるチームへ成長できるか。

 知立の部長・鶴田賀宣先生は愛知高野連の副理事として尽力された。
 毎年6月に開催されている招待試合。県内のチーム強化のために実施され、大阪桐蔭、早稲田実業など全国各地の強豪校が登場しました。この招待試合や各イベントに携わり、2018年12月にはオーストラリア遠征を行った愛知県選抜の監督を務めた。

 西尾高校は鶴田先生の母校。母校での指導や、愛知県高野連の取り組みに注目したい。

 

 そして横浜高校も人事に大きな動きがありました。4月1日から白山高校の村田浩明監督が就任しました。村田監督は現役時代、涌井秀章投手(東北楽天)の女房役として、2004年夏に甲子園出場。日体大を経て、霧が丘で野球部部長。2013年秋から白山の監督に就任。高い指導力で、2018年夏はベスト8に進出させるなど、実力校公立に育て上げた。

 横浜は4年連続で高卒プロを輩出しており、今年も度会隆輝選手など多くの好選手が登場している。初采配は夏の大会からで、どう変わっていくのか、注目したい。

 また他では愛知県で、安城南を昨秋、初の県ベスト16に導いた伊佐治琢磨監督は岡崎商へ進む。
 佐賀北でエースとして甲子園優勝を経験し、そして監督としても甲子園に導いた久保貴大監督は鹿島へ。鹿児島県内では実績のある指導者として評判な鹿児島工・福留龍一監督が川内商工へ。

 沖縄では嘉手納・大蔵宗元監督は宜野湾へ。大蔵監督は2016年、甲子園出場を果たすと、初戦で関東大会優勝の前橋育英を破って初戦突破を果たしている。

 指導者の方々の新天地の活躍を期待したい。

(文=河嶋 宗一

関連記事
センバツ出場校に対しての救済策を考える 「選抜出場を勝ち取っていた学校で甲子園大会を!」
名門復活を狙う拓大紅陵。元プロ・和田監督の意識改革とカギを握る絶対的エース
新体制でスタートを切る横浜はドラフト候補集団

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.27

【福岡】飯塚、鞍手、北筑などがベスト16入り<春季大会の結果>

2024.03.27

【神奈川】慶應義塾、横浜、星槎国際湘南、東海大相模などが勝利<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.27

青森山田がミラクルサヨナラ劇で初8強、広陵・髙尾が力尽きる

2024.03.27

中央学院が2戦連続2ケタ安打でセンバツ初8強、宇治山田商の反撃届かず

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.22

報徳学園が延長10回タイブレークで逆転サヨナラ勝ち、愛工大名電・伊東の粘投も報われず

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】