目次

[1]どちらも140キロを投げる、世代屈指の左右のWエース
[2]昨夏を経験する2人の捕手

 昨夏、決勝戦で倉敷商との決勝戦で接戦の末に2対1で破り、4年ぶり2度目の夏の甲子園の切符を掴んだ岡山学芸館。初戦では広島商と対戦し、持ち味の粘り強さを発揮して6対5で勝利。悲願の全国での1勝をもぎ取ることができた。

 秋は県大会まで勝ち進んだが、ライバル・おかやま山陽に2対3で惜敗。2回戦で姿を消すこととなったが、夏は優勝候補の一角として注目されることになる。そんな岡山学芸館のキーマンたちを紹介すると、とても楽しみな顔ぶれが揃っていることがわかった。

どちらも140キロを投げる、世代屈指の左右のWエース


 岡山学芸館には、昨秋の明治神宮大会を制した中京大中京高橋 宏斗松島 元希の左右のWエースに勝るとも劣らない新2年生投手がいる。それが仲村 竜西村 陸努だ。

 沖縄出身の仲村は、145キロ近くの球速をマークする大型右腕。高校1年夏からベンチ入りし、昨夏の甲子園・作新学院戦でも登板しており、すでにプロのスカウトからも注目されている。実力の高さ以外にも光るものがあることを、指揮官の佐藤貴博監督は語る。

 「中学生の時から考え方が大人です。周りから『凄い』と言われても驕らずに、きっちり努力を続ける。それでいて落ち着いていて負けん気も強いんです」

 甲子園でもベンチ入りして全国クラスの投手を間近で見たことで、仲村はさらに練習に打ち込むようになった。また、味方のミスや四球を出しても顔色を変えず淡々と投げる。さらに普段の学校生活からも落ち着いた佇まいで過ごしているなど、甲子園を通じてメンタルが大きく成長し、エースともいえるオーラが出てきた。

 そして、入学時から我慢強く取り組み続けた体幹トレーニングが実を結び、フォームに安定感が生まれた。
 「体幹が良くなると体のブレが減りますので、フォームが安定します。それがコントロールの向上に直結しますので、制球が安定し始めました」

 現在は140キロ以上のボールを投げるために、いかに力まずに投げ込めるか。そこを課題に据えて、将来的には「2年生で150キロ、3年生で155キロ」を考えてやっているはずだと佐藤監督は話す。



西村陸努

 その仲村と同学年でライバルとなるのが左の西村。大阪から岡山へ来た西村だが、球速は140キロ近くをマークしており、仲村同様、夏の甲子園ではベンチ入りを果たしている。こちらも世代を代表する左腕として期待がかかる。
 「性格としては相手がどれだけ強くても、どんどんストレートで押していきます。しかもボールには強さがありますので、その良さを無くさないように育てているところです」

 佐藤監督はイメージとして西村のボールは、「バレーボールが来る」ようだと説明。またチームで月に1度だけ投手陣は球速やボールの回転を計測する。

 数値によって、今後の方針を固めていくが、仲村はスピンの利いたボールを投げ込むのに対して、西村はジャイロ回転をしている。まさに「暴れる」ようなボールが西村最大の武器。すると佐藤監督はこんなエピソードを持ち出す。
 「打者に当ててしまうことがあるんですが、打者はボールを捉えようとスイングをしてしまうんです。ストレートでも変化球でも空振りをするのですが、それだけ打者はボールが来ていると認識しているので、『本物のボールだな』と思っています」

 また左打者のインコースにも投げ込めるため、ストライクゾーンを広く使ったピッチングができること。そして一冬かけてファーストを練習してきたことで、フィールディングだけではなく、牽制の技術も向上。さらに、バッティングでも光るものを持ち、「5番をやってくれないか」と佐藤監督の中では構想を立て、投打の活躍を期待している。