センバツ出場校に対しての救済策を考える 「選抜出場を勝ち取っていた学校で甲子園大会を!」
3月11日、センバツは史上初の中止が決まった。そのセンバツ出場校に対しての救済策が著名人から挙げられている。今回、高校野球ドットコムでもお馴染みのライター陣が各自で考えた救済案を紹介していきます!
3回目は関東、東海を中心に取材活動を行う手束仁記者です!
センバツ出場校への何らかの救済措置を考えたいのだが
救済策を考えてみよう
去る3月11日に、第92回選抜高校野球大会の中止が発表された際には、やはり残念だと思いました。しかし、今こうして緊急事態宣言が発せられるに至って、開催しなかったという選択が正解だったということが改めて感じました。
その際に、主催者側からは「今回の出場校に対して、何らかの救済措置も考えていきたい」というような発言もありました。しかし、その後も拡大し続ける新型コロナウイルの感染状況を見ていると、正直なところ、それどころではないという感じです。現実問題として夏の大会も開催できるのだろうかという、そちらの不安の方が大きくなってきました。
既に起きている現象として、一冬のトレーニングや強化練習の成果を発表する春季大会も各地で中止が発表されています。唯一開催していた沖縄県大会も途中で休止となりました。そんな事態になってきています。
今回の事態は、高校野球の100年を越える歴史の中でも間違いなく太平洋戦争での中断に次ぐ困難だと思われます。そうした中で、私たちは野球ファンは、収束すればその後には、また、高校野球が戻ってくると信じています。清々しい球音と共に球児たちの声がグラウンドに響き渡る、これまで当たり前に見つめてきていた舞台が戻ってくるものだと信じています。
ただ、それがいつになるのか、まだ見えてきません。そんなこともますます不安感を抱かせていることも確かだと思います。
ただ、人類の歴史というのは、一方では戦争と疫病との戦いの歴史でもあったのです。そんな歴史を繰り返し何度か滅びかけながらも、必ず立ち直ってきていました。そして、より復興していきながら、次のステージへ向けてグレードアップしていっていたという歴史もあります。
高校野球の歴史を見てもそうです。かつて米騒動での中止や大戦での中止という歴史もありましたが、必ず復活して、そして更なる発展を続けていっていました。戦争中断後も、いち早く復活すると、多くの人たちに勇気と自信を与えながら、より隆盛を迎えていきました。
今回も、そうした歴史を重ねていくための試練だと受け止めていきたいと思っています。また、そういう思いで辛い今の時間に対処していくしかないのだはないかというのが正直なところです。
敢えて救済措置を提案するなら
そして、そうした中で敢えて、選抜出場校への救済措置を提案するとしたら、私は一つしかないと考えています。
しかも、これはあくまで6月までにほぼ収束を迎えているという前提の下での案でもありますが…。その状況で、夏の選手権大会地区大会開催がどうなっていくのかはわかりません。おそらく、全国で足並みがそろうことは非常に困難かもしれません。
そこで、そうであればという前提にはなりますが、選抜出場を勝ち取っていた学校での甲子園大会を開催するという案です。
もちろん、そうなれば選抜出場を逃した他の学校に対してはどうなのだということにはなってしまいます。ただ、選抜の甲子園という舞台を一度は勝ち得たという事実を獲得した選手たちへの救済措置としてはこの手段しかないかと考えます。
ただ、その必要がないように全国で夏の地区大会が無事開催できるのであれば、それは私たちにとっては、それ以上の幸せだということになります。
そうなれば、選抜地代表校となった各校としては、出場回数としてカウントされるということも発表されました。ですから、それはその世代の勲章として誇りを持ちながら、夏の大会の地区大会へ挑んでいただければ、「野球をやれる幸せ」を、改めて感じていただけるのではないでしょうか。
これが、現状で唯一、私として提案できることでしかありません。
本当に、早く、新型コロナウイルスの拡大感染が収束してほしいと、心から願っています。当たり前に思っていたスポーツのある日常でした。しかし、今回の事態を受けて、当たり前の日常がどれだけ大事で幸せだったのかということも、改めて実感させられています。そんな思いも胸に抱きながら、前を見つめて進んでいきましょう。
(文・手束仁)
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