目次

[1]西悠介監督が都立小岩に残したもの
[2]他にも気になる指導者たちの異動

 今春の高校野球は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、例年とは全く異なる状況になってしまっている。第92回センバツ大会も中止。春季都道府県大会も、軒並み中止が相次ぐという非常事態となっている。東京都も、一次ブロック予選も本大会も中止となってしまった。そんな中でも、教員の異動が発表されて、野球関係者でもいくつか新天地への異動が発表された。そんな異動状況を探ってみた。

西悠介監督が都立小岩に残したもの


 公立校の場合、教員の人事異動は避けられないものである。中には、その学校で取り組んでいこうとしていた事案の志半ばで異動を申し渡されたということもあるかもしれない。しかし、いずれにしても新天地では、新たな気持ちで迎えることであろう。それは、部活動としての野球部の指導においても同じではないだろうか。

 また、多くの野球部指導者は、それぞれ自分なりの理想の指導スタイルというのがあり、そこにもこだわりを示していくというところもある。それを異動先でどう伝えていくのかということもまた、指導者としての使命かもしれない。

 そんな指導者たちの動向も含めて、主な異動の様子を探り、そのことによってどんな展開になっていきそうなのか、希望的にイメージしてみたい。

 大きなところでは、都立小岩で実績を作っていた西悠介監督が、都立雪谷に異動となる。都立永山から都立小岩へ移動して6年、早稲田実業→早稲田大という経歴の西監督は、自信が学んできた質の高い野球を都立小岩でもしっかり伝えていった。

 当初は、受け入れる選手たちの側にもやや戸惑いもあったようだが3年目以降には、かなり浸透してきて手ごたえも感じてきていたようだ。

 昨夏の東東京大会、都立広尾との3回戦などは8回まで1対4とリードされていながら、8回に一気にひっくり返して9回にもダメ押しの2点を加えて7対4で逆転勝ちした。
 「『公式戦の1勝は、100日分の練習に値する』ということは、早稲田実業時代にもよく言われていたことですが、この1勝は本当にそのことを実感させてくれました。チームとしての成長を感じて、ここまでよくついてきてくれたと思うと、とても嬉しい」
と、素直に喜びを表してくれた。

 都立雪谷では当面、芝浩晃監督を支える責任教師という立場で指導していくようである。昨夏はシード校として戦った都立雪谷。指導体制がより整っていったことで、さらなる躍進が期待できそうだ。