第971回 森、会沢に続く次世代「強打の捕手」は九鬼隆平に期待!2019年12月22日
【目次】
[1]セ・リーグこそ必要としている強打の捕手
[2] 森友哉、会沢翼に続く新世代の「強打の捕手」
森友哉、会沢翼に続く新世代の「強打の捕手」

首位打者とMVPのダブル受賞に輝いた森友哉
そんな心配を吹き飛ばすような活躍を見せてくれたのが、森だ。ルーキーイヤーから一軍で通用する打撃を見せてきた森だったが、それゆえに外野手としての起用も多かった。しかし捕手としても徐々に力をつけ、2018年には炭谷から正捕手の座を奪うと、今季は首位打者とMVPのダブル受賞に輝いた。
会沢も、2014年に規定打席未到達ながら打率3割を記録すると、少しずつ出場機会を増やし、今季は自身初となる規定打席に到達。大型契約も結び名実ともに強打の捕手としての地位を得た。
上記の二人にはまだ及ばないが、巨人の大城卓三も期待の存在だ。小林誠司、炭谷 銀仁朗らの壁に阻まれてはいるが、プロ入り2年間で531打席、打率.265を残している。「強打」と言うにはまだ物足りないが、捕手としては十分と言える数字だ。今後の成長次第では花開く可能性もあるだろう。また、今季途中に日本ハムに移籍した宇佐見真吾も打力が長所で、移籍後は出場機会を増やしている。

高校時代の九鬼隆平
また、ファームや来季のルーキーにも目を移すと、楽しみな存在がいる。その一人が、城島氏が復帰したソフトバンクの九鬼 隆平だ。秀岳館時代には通算26本塁打を放ち、4番として春夏連続で甲子園4強に導いた。3年目の今季はファームで93試合に出場、打率.259はリーグ5位の数字だ。加えて長打率.404はリーグ3位と、光るものを見せたシーズンだった。
九鬼以外にも、大学日本代表の4番を務め今秋ドラフトでロッテから2位指名を受けた佐藤 都志也や、高卒1年目ながら一軍で初ヒットを放った中日の石橋 康太など、期待が持てそうな選手は少なくない。
捕手と言えば、育成に時間がかかる上にどうしても守りが重視されるポジションではある。しかし、プロ野球ファンの多くはロマンを求め、夢を見たいと願っている。城島氏が活躍した頃のように、「強打の捕手」がひしめき合うような時代がまた来ることを、楽しみにしたい。
記事:林 龍也
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