第89回 稀代のスラッガー・阿部慎之助が引退 今なお輝きを放つ5名の2000年ドラフト戦士たち2019年09月24日
【目次】
[1] 今季現役はわずか5名
[2] 初のプロアマ混成チームとなったシドニー五輪戦士たちも同期入団
9月23日、読売ジャイアンツの阿部慎之助が現役引退することがわかった。捕手出身選手としては野村克也氏以来、史上二人目となる通算2000安打、400本塁打を放った稀代のスラッガーは、20世紀最後となった2000年のドラフト会議で、中央大から1位指名(逆指名)でプロ入りを果たした。
今回は、現役選手は残りわずかとなった2000年のドラフトを振り返りたい。
今季現役はわずか5名

内川聖一(ソフトバンク)
2000年のドラフト会議から19年が経った今シーズン。86名が指名され、84名がプロの世界へと飛び込んだが、今季を現役で迎えられたのは阿部を含めてたったの5名だ。
大分工から横浜ベイスターズに1位で入団した内川聖一は、37歳を迎えた今季も134試合に出場し、126安打、12本塁打とバリバリのレギュラーとして活躍を続けている。打率こそ全盛期より落としてはいるものの、優勝争いを繰り広げるチームにとって欠かせない存在だ。
現在、巨人で阿部とチームメイトの中島裕之は、伊丹北から5位で西武ライオンズに入団。2年目から徐々に頭角を現すと、4年目にレギュラーに定着し、ブレイク。強打の遊撃手として活躍し、2013年にはアメリカに挑戦。故障もありMLB出場はなかったが、2015年に帰国し、オリックス、巨人と活躍の場を移している。
その中島と小学校時代にバッテリーを組んでいた山崎勝己も現役を続けている。報徳学園から4位でソフトバンク入りし、2014年にはFA移籍でオリックスへ。経験豊富なベテラン捕手として、チームを支え続けている。
阿部同様、今季限りでの現役引退を表明した畠山和洋も、この年のドラフト5位で、専大北上からヤクルトに入団。期待されながらもレギュラーに定着できない時代が続いたが、2015年には打点王に輝き、主砲としてチームをセ・リーグ優勝に導いた。
今季までユニフォームを着続けた5名の中で、阿部は唯一の大卒選手だ。他の選手よりも4歳年上ながらも長く現役を続けられたのは、ひとえに阿部が誰よりも努力を重ねてきたことに他ならない。
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