平成最後の日。平成の怪物と呼ばれた投手を振り返る
平成が間もなく終わろうとしている。高校野球もいろいろなドラマがあった。今回は平成に入ってからの甲子園で活躍を見せたスター・怪物と呼ばれた投手を紹介していきたい。
松坂大輔〜島袋洋奨
松坂大輔(横浜出身)※写真:共同通信
1998年 松坂大輔(横浜)
センバツ優勝投手となり、夏では準々決勝でPL学園戦で延長17回の熱投、さらに準決勝の明徳義塾戦では勝利を呼び込むリリーフ、決勝の京都成章戦ではノーヒットノーランと華々しい活躍を見せた。
2004年 ダルビッシュ有(東北)
2004年センバツではノーヒットノーランを達成。2004年夏も2試合連続完封と圧巻の投球。190センチを超える長身ながら145キロ前後の速球、多彩な変化球を投げ分ける投球は改めて見ても別格だった。
2005年 田中将大(駒大苫小牧)
高校2年生ながら最速150キロをマークし、25.2回を投げて38奪三振と圧巻の投球を見せた。そして2006年夏も決勝進出に導き、まさに世代を代表する投手だった。
2006年 斎藤佑樹(早稲田実業)
7試合を投げて69回、78奪三振、防御率1.17と素晴らしい成績を残し、並み居る強豪を破り、決勝戦でも駒大苫小牧戦ではすべてのイニングを投げ切り、見事に優勝投手となった。
2009年 菊池雄星(花巻東)
選抜初戦の鵡川戦では完封勝利。150キロの速球と切れ味鋭いスライダーを投げ分け、一気に目玉投手へ。夏では最速154キロをマーク。今、振り返ると平成最後の怪物左腕だっただろう。
2010年 島袋洋奨(興南)
攻守で全く隙がない興南の大エース。琉球トルネードと表現できるフォームから繰り出す140キロ中盤の速球、スライダー、ツーシーム、スプリットで圧倒する投球は見事だった。
大谷翔平・藤浪晋太郎〜吉田輝星
大谷翔平(花巻東出身) 藤浪晋太郎(大阪桐蔭出身)
2012年 藤浪晋太郎(大阪桐蔭)、大谷翔平(花巻東)
この世代にこれほどの大型投手が2人揃ったのはまさに奇跡であろう。藤浪は夏にかけて凄みが増し、夏では36回を投げ49奪三振、防御率1.07と圧巻の成績で春夏甲子園優勝投手へ。そして大谷は岩手大会で160キロをマークした。
2013年 松井裕樹(桐光学園)
最後の夏は甲子園出場はならなかったものの、注目度が高い神奈川県においてこれほど1人の投手が追いかけられたのは最後だと思う。2年夏で大会史上最多の10連続奪三振と1試合22奪三振を記録。36イニングを投げ防御率2.25、奪三振率17.00。1大会通算68奪三振。
2014年 安楽智大(済美)
2年夏に最速157キロをマークした怪物右腕。3年夏は140キロ後半の速球、切れ味鋭い変化球を投げ、モデルチェンジ。世代を代表する投手であった。
2015年 小笠原慎之介(東海大相模)
最速151キロの速球、スライダー、チェンジアップを武器にハイレベルな投球を見せ、並み居る強豪を破り決勝戦へ。そして決勝戦では勝ち越し本塁打。そのまま完投勝利を挙げ、優勝投手となった。
2016年 今井達也(作新学院)
多くの好投手が揃ったこの世代で頂点に立った速球派右腕。初戦でいきなり151キロをマークして甲子園の観客をにぎわせると、その後は41回を投げ44奪三振の快投を見せた。
2018年 吉田輝星(金足農)
伸びあがるような速球を武器に秋田の頂点に立った吉田は、鹿児島実業戦で14奪三振の快投。その後も横浜、近江、日大三といった並み居る強豪を破り決勝戦へ。侍ポーズも含め、華のあるパフォーマンスにより吉田フィーバーは一気に過熱した。大阪桐蔭に敗れたが、50回を投げ、62奪三振と2018年を代表する右腕へ成長を遂げた。
(記事=河嶋 宗一)