第74回 日本の二刀流から世界の二刀流へ 未だ底が見えぬ大谷翔平が目指す頂とは2018年12月30日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]ベーブ・ルース以来の二刀流にかかる大きな期待
[2]打者に専念した大谷翔平への期待感

 「Big fly! Ohtani-saaan!!!! 」

 もはやお馴染みとなったこのフレーズ。テレビの向こうのアメリカ人アナウンサーが叫んだこの言葉を何度聞いただろうか。2018年、メジャーリーグに挑戦し、世界に衝撃を与えた大谷翔平がホームランを放ったときに聞こえてくる台詞だ。

 NPBでの5年間を終え、昨オフにポスティングで北海道日本ハムファイターズからMLBのロサンゼルス・エンゼルスへと移籍。数々のネガティブな評価を自らのバット、ボールで黙らせてきた男の、1年間の軌跡に迫る。

ベーブ・ルース以来の二刀流にかかる大きな期待



開幕2連勝を挙げた大谷翔平(共同通信)

 前途は多難だった。

 2017年シーズンは右足首の故障のため、満足のいく結果は残せなかった。投手としては5試合登板に止まり、プロ入り後ワーストの3勝。打者としては65試合出場、打率こそ.332を記録したものの、8本塁打、31打点と、投打ともに納得のいく成績ではなかっただろう。

 シーズン終了後の10月には右足関節有痛性三角骨(足関節後方インピンジメント)除去術を受けた。その後、ポスティングシステムによる米球界移籍を発表し、ロサンゼルス・エンゼルスと契約。しかし、このときには右肘の治療のためPRP注射を行うなど、決して万全とは言えない状態での移籍劇だった。

 迎えた2月のスプリングトレーニングでは、本来の大谷の姿はなかった。打ってはメジャーリーガーたちの動く球に苦しみ凡打の山を築き、投げてはメジャーの環境に対応しきれず、コントロールがつかないところを痛打された。オープン戦での成績は打者として11試合32打数でわずか4安打、10三振。投手としては2試合で2回3分の2回を投げて0勝1敗、防御率27.0と、惨憺たる結果だった。

 「メジャーは早かった」「二刀流はやっぱり無理だ」「若いのだから、マイナーでじっくり鍛えてはどうか」など、多くの専門家が若い大谷のメジャーデビューを危惧した。中には「打撃は高校生級」などという記者までいた。

 二刀流と言うと、アメリカではどうしても「野球の神様」ベーブ・ルースと比べられがちだ。それもそのはず、大谷が日本で2度記録した同一シーズン10勝10本塁打という記録は、さかのぼること約100年、ベーブ・ルース以来の記録だからだ。デビュー前にしてそこまでの期待をかけられていながらこの成績だったのだから、厳しい評価は仕方のないことだったのかもしれない。

 しかしシーズン開幕後、それらの声は一蹴された。

【次のページ】 打者に専念した大谷翔平への期待感

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第11回 「素材重視の指名か」スポーツライター・小関順二さんが日本ハムのドラフトを予想!【プロ12球団ドラフト分析2019】
第93回 清宮 幸太郎(北海道日本ハムファイターズ/一塁手) 試練のプロ2年目を超え 「清宮スタイル」確立へ【高校野球コラム】
第229回 佐々木朗希はプロでどこまで通用するのか、大谷と徹底比較!【ドラフト特集コラム】
第228回 将来性抜群の大型右腕・佐々木朗希(大船渡)の行き先はパ・リーグか?1位指名球団を予想!【ドラフト特集コラム】
第227回 「地元の仲間と甲子園に行きたい」から始まった大船渡・佐々木朗希の3年間【ドラフト特集コラム】
第1003回 「大谷2世」の言葉はまだ使わない 無限の可能性を秘めた山崎隆之介(東京城南ボーイズ) 【ネクスト球児インタビュー2019年】
第956回 「野球を愛する純粋な高校生」目指すは見るものをワクワクさせる野球選手 山田紘太郎(西尾東)【後編】 【2019年インタビュー】
第946回 関西屈指の野球センスを持った「次世代の二刀流候補」 谷口勇人(京田辺ボーイズ) 【ネクスト球児インタビュー2019年】
第913回 「球威」と「制球」を両立させた伸び盛りの本格派 清水樹(秦野リトルシニア) 【ネクスト球児インタビュー2019年】
第883回 山口が生んだ大砲・前田健伸(山口東リトルシニア)が打ち破った中学野球の壁 【2019年インタビュー】
大谷 翔平(花巻東) 【選手名鑑】

コメントを投稿する

コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム