第66回 大阪野球が最強の理由2017年05月27日

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【目次】
[1]近年大阪を牽引している2つの強豪校
[2]大阪の強豪校の変遷
[3]今や激戦区・大阪。その根底にあったのは中学野球が関係している

近年大阪を牽引している2つの強豪校

優勝した大阪桐蔭(写真は共同通信)

 この春、第89回選抜高校野球大会では、史上初の大阪代表同士の決勝となり、大阪桐蔭履正社を振り切って、5年ぶり2度目の優勝となった。なお、今季というか、この代のチームの両校の対決は、これで公式戦1勝1敗となった。まさに、夏の大阪大会で両校の対戦があれば、それが、その決着をつける対決となりそうだ。

 とはいえ、同都府県から複数代表が選出されることもある選抜大会だが、大阪代表同士の対決が実は初めてだったということに、むしろ少しびっくりしたくらいである。
というのは、強い大阪勢である。過去を遡ればイメージとしては、何度か対戦しているのではないかと思っていたからでもある。

 この両校ということで言えば、3年前の2014年にも、春は履正社が準優勝、夏は大阪桐蔭が優勝を果たしている。さらには、その2年前の2012年は、大阪桐蔭藤浪 晋太郎(阪神)と森 友哉(埼玉西武)のバッテリーを擁して、春夏連覇を果たしている。

 近年は特に、大阪勢でもこの両校の強さが甲子園では印象に残る。強い大阪勢の代表的な2校がこの春、甲子園で質の高い決勝戦を戦ったということである。

 ただ、歴史的に見ていくと、大阪勢はそれぞれの時代に何度か突出した有力校が登場して一時代を築いている。
 もっとも、知られているのが、1980年代のPL学園である。桑田 真澄(巨人)と清原和博(西武→巨人→オリックス)らを軸に、83年夏と85年夏に全国制覇。84年は春夏準優勝に輝いている。PL学園はその前後も81、82年には春連続優勝。87年には立浪 和義主将(中日)に片岡篤史(日本ハム→阪神)らがいて春夏連覇を果たしている。1学年下には宮本慎也(ヤクルト)がいたのだが、当時は控えの選手だった。

 そのPL学園は70年代から台頭してきて、70年と76年夏に準優勝し、78年夏に全国制覇を果たしている。その強さは、全国にネットワークを張り巡らせたスカウティングの力もあった。有望中学生を全国から積極的に勧誘して入学させていた。そして、「全国制覇を目指す」という意識を選手個々に育てていくシステムがしっかりと出来ていた。

 そんな中で、全国から選び抜かれた選手たちが高い意識で競い合うので、チームの力が上がっていくのは当然であった。今の大阪桐蔭も、同じような形で、全国の頂点を目指す意識が選手たちの間に育まれていると言っていいであろう。この春に背番号7ながら内野手、投手としても活躍して、最後は優勝マウンドにいた大阪桐蔭根尾 昂(岐阜県飛騨高山ボーイズ出身)などは、その代表的な選手と言っていい。

【次のページ】 大阪の強豪校の変遷

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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