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第91回 硬式ボールと軟式ボールの違い2014年04月30日

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 新年度も始まり、多くのチームが新入生を迎えていることと思います。私の担当するチームも新入生を迎え、いつも以上に元気よく練習していました。新入生の皆さん、新しい環境には慣れましたか? 特に中学時代まで硬式ボールを触ったことのない選手であれば、ボールの重さや硬さなどに戸惑いがあるかもしれませんね。

 今回は高校野球で使う硬式ボールと今まで使用していた軟式ボールの違いや、フィジカル面から見た注意点などについてお話をしたいと思います。

【目次】
[1] ボールの違いは重さと硬さ
[2] 土台作りとなるトレーニング

ボールの違いは重さと硬さ

硬式ボールの特徴を知り、重さに負けない体作りを目指そう

 軟式ボールの重さは中学生が扱うもので133.2〜136.8g、硬式ボールは141.7g〜148.8gと決められています。硬式ボールは軟式ボールに比べて約10g程度重いということになりますね。こうしてみると「たかが10g程度しか違わないのか」と思いがちですが、この微妙な重さが肩や肘などに負担をかけることがあります。

 キャッチボールを繰り返したり、練習で投げる機会が増えてくると、プレー時には負担を感じなくても、練習後や翌日以降に「肩や肘が重い、違和感がある、痛い」といったことが起こりがちです。野球は繰り返し動作を行うことでケガをしてしまう、慢性的なスポーツ障害の多い競技と言われていますが、これは小さな負荷(この場合は+10g)の積み重ねが原因と考えられるでしょう。

 また硬式ボールは軟式ボールに比べて硬く、当たると大きなケガにつながりやすいことも特徴です。デッドボールなどでもかなりのダメージを受けますので、初めて硬式ボールでプレーする選手にとっては、慣れるまでは怖さがあるかもしれませんね。

練習量とセルフコンディショニング

 スポーツドクターの提唱するケガ予防のための指針(日本臨床スポーツ医学会学術委員会の提言)としては、

 ●中学生、高校生においては、週1日以上の休養日をとること
 ●中学生では1日70球以内、週350球を超えないこと。高校生では1日100球以内、週500球を超えないこと。
 ●練習前後には十分なウォームアップとクールダウンを行うこと

 といったことが述べられています。(参考ページ:青少年の野球障害に対する提言:真面目にスポーツトレーニング!より)

 中学時代に比べて練習量が増えるとケガをしやすくなるのは理解できますよね。練習量が増える分、ケガをしないためのストレッチやウォームアップクールダウンRICE処置など、自分でできるセルフコンディショニングがより重要になってくるのです。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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