入浴でしっかり疲労回復
第14回 入浴でしっかり疲労回復2011年02月15日
入浴がもたらす疲労回復効果
こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。
皆さんは練習後や帰宅後にお風呂に入ると思いますが、お湯に浸かるようにしていますか?それともシャワーをメインに使っているでしょうか?忙しい毎日ではお湯に浸かってゆっくりする時間もなく、シャワーで済ましている選手も案外多いのではないかと思います。疲労回復にはしっかりとお湯に浸かって入浴することもセルフコンディショニングの一つ。
今回は入浴がもたらす疲労回復効果についてご紹介したいと思います。
お湯に浸かる入浴では温熱作用・水圧作用・浮力作用という3つの物理的作用が働きます。
《温熱作用》
お湯に浸かることで身体が温められて血管が拡張し、身体にたまった疲労物質や老廃物の排出を助けます。また筋肉は温められることによってより柔軟性が増し、疲労などで感じる筋肉の張りなどがほぐれます。
《水圧作用》
お風呂では水面からの深さに応じて水圧が加わります。この圧力は全身にかかってくるのですが、足への水圧はポンプ作用としてたまった血液を心臓に戻すことを助けるため、血液循環が良くなります。また腹部にかかる水圧は、身体の中心部にある横隔膜を押し上げるため呼吸回数が自然と増え、心肺機能が高まります。
《浮力作用》
水中では浮力が働くため、身体が軽くなります。普段体重を支えている筋肉や関節は重力によるストレスから開放されて負担が少なくなります。痛みがあるところも水中では動かしやすく、少しの抵抗でもトレーニングとしての効果が期待出来ます。
湯温を活かした調整法
お湯の温度は個人の好みもあると思いますが、体温よりも5℃以上高い熱めのお湯(41℃~)では交感神経がより刺激されるため、脳や身体は興奮状態になります。逆に「ぬるま湯」と呼ばれる温度は体温よりも2~4℃高めの38~40℃。副交感神経に作用し、リラックス効果をもたらします。夜、ゆっくりお風呂に入ってリラックスすることで睡眠も誘発することが出来ます。
こうした温度を活かして、しっかりと身体と頭を起こしたい朝には少し熱めのお風呂を短めに入る(このときは熱めのシャワーでもOK)、じっくりと身体を温めて疲労回復させたい夜にはぬるめのお湯にゆっくり入るといったように使い分けをしてもいいですね。
お湯に浸かることはシャワーでは得られないさまざまな効果があります。毎日の習慣としてぜひお湯に浸かる入浴を実践してみてくださいね。
■ 疲労回復にはしっかりとお湯に浸かって入浴することもセルフコンディショニングの一つ
■ 温熱作用・水圧作用・浮力作用という3つの物理的作用が働く
■ どのような効果があるかを考えながら、入浴時の水温を調節しよう。
(文=西村 典子)
次回、第15回公開は02月28日を予定しております。