体調がよくないなと感じたら
第6回 体調がよくないなと感じたら2010年10月15日
首を保温することで、翌朝は喉の痛みを軽減
こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。
スポーツにふさわしい秋風がさわやかな季節となりましたね。今年の夏は記録的な猛暑であったことを考えると、気温の急激な変化に体調を崩す選手もいるのではないでしょうか。今回は体調がすぐれないなと感じた時、風邪っぽいなと感じた時にこれ以上こじれないようにするためのアドバイスをご紹介します。
「病は気から」という言葉や「気持ちのたるみが風邪につながる」などと言われると、どうしても体調不良を監督や顧問の先生に言えなくなってしまうかもしれません。
疲労や免疫力の低下がそういった体調不良を引き起こすことも多く、風邪は主にウイルスによる感染症ですので、あまり無理をせずに休んで安静に過ごすように心がけてください。適切な対応をすることで症状を軽度におさえることができます。まずは自分の体調をチェックしてみましょう。
・喉が痛い
・関節のふしぶしが痛い
・悪寒(おかん)がする
・身体がほてる、熱っぽい
これらは37℃以上の発熱が起こる前兆、もしくは発熱している可能性があります。発熱によって体温が奪われてしまうため、体を保温することが大切です。食欲がある場合は、エネルギー源となる炭水化物(ごはん、おかゆ、麺類など)や、唐辛子を使った料理など体の中から温める工夫をしてみましょう。食欲があまりないという場合でも、消化のよいものやスープ、みそ汁などで少しでも温かいものを食べるようにすると、回復が早くなります。
発熱すると通常よりもビタミンCの消費量が増えます。ビタミンCを多く含む食材(アセロラ、レモンやグレープフルーツなどのかんきつ類などクエン酸を含むすっぱいもの)をとって、発熱によって消費されたビタミンCを補給するようにしましょう。また汗の量も増えますので、水分補給もこまめに行いましょう。スポーツドリンクなど適度に塩分を含んだものを飲むと、脱水症状を抑えることができます。汗をかいたままの状態でいると、体が冷えてしまいますので、汗をしっかり拭いてこまめに着替えるようにしましょう。
【喉が痛いときのオススメ】
寝る前に首に乾いたタオルを巻いて寝ます(写真)。首を保温することで、翌朝は喉の痛みが軽くなっていることがあります。喉が腫れてしまうと発熱につながりやすいので、「少し喉が痛いかも」と思ったらぜひ試してみてくださいね(すべての喉の痛みに対応できるわけではありませんので、ご了解ください)。
風邪のひき始めは最初の2日間の対応で、その後の経過がずいぶん変わってくるといわれています。無理をしながら練習を続けることは体調を悪化させるだけでなく、集中力の低下からケガを起こしやすい状況にあるといえるでしょう。選手が気兼ねなく体調不良をいえる環境を作り上げていくことも大切ですね。指導者の方々にはぜひ相談しやすいチームの雰囲気作りをお願いしたいと思います。
(文=西村 典子)
次回、第7回公開は10月30日を予定しております。
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