目次

[1]今日から始められる「規則正しい生活」/足元を見直してみよう
[2]自分の体と対峙するウォームアップ/水分・エネルギー源の補給を忘れずに

自分の体と対峙するウォームアップ



全体でのウォームアップだけではなく、個人でも心身の準備を行う習慣をつけよう

 野球の準備としてまず頭に思い浮かぶのがウォームアップではないでしょうか。全体練習に入る前段階として、「これから野球をするために適した心と体を準備する」ために行うものです。ここでは全員がそろって行うウォームアップの前に、個人個人で確認しておきたいウォームアップについて考えてみましょう。

 体の状態(コンディション)は常に変化を伴います。昨日の疲れが残っているようであれば「少し体が重い」と感じるでしょうし、十分に睡眠を取って頭も体もスッキリとしていれば「今日は調子が良い」と感じるかもしれません。さらに個人の状態だけではなくその日の天気や気温、湿度、風の有無といった天候による影響も考慮する必要があります。比較的暖かい日はウォームアップにかける時間が短くても準備できるかもしれませんが、寒い日や風の強い日などは体が冷えやすく、時間をかけてウォームアップを行う必要があります。これらのことを念頭に置いて、体が動きやすくなるように自分にとって必要なストレッチやエクササイズなどを選んで行っていきましょう。ストレッチで筋肉や関節の動きに左右差が見られる場合はその状態を覚えておくことや、必要に応じて改善していくようにします。特に不安部位を抱えている場合は、その部位に負担がかからないように周辺部を含めて動きやすくすることが大切です。

水分・エネルギー源の補給を忘れずに

 チームで水分補給のためのジャグが準備されていたり、必要に応じて補食が準備されていたりするかもしれませんが、個人としても水分・エネルギー源の補給はあらかじめ準備しておきましょう。特に感染症対策として、同じコップを使って水分補給を行うことは避けた方が賢明です。それぞれがマイコップ、もしくはマイボトルを持参しておくようにしましょう。また湿気が多く蒸し暑い時期であれば、おのずと水分補給をすると思いますが、乾燥した空気の中ではつい水分補給を忘れてしまうことがあります。普段から「喉が渇いた」と感じる前に水分をとることを心がけておきましょう。

 また運動中はエネルギーをより多く使うため、補食をとることもパフォーマンスを支える大切な準備の一つです。練習前にはこれから体を多く動かすために必要なエネルギー源を確保するために、そして練習後には使ったエネルギー源を補うために補食が必要となってきます。補食の基本的な形としてはエネルギー源となる糖質(炭水化物)を中心としたものになりますが、練習後には糖質とあわせてタンパク質を含むものを準備できるといいですね。おにぎりの具材をタンパク質を含むもの(たとえば鮭、ツナマヨ、おかか、明太子、納豆など)にしておくとより手軽に補給しやすいと思います。

 パフォーマンスを支える準備として選手の皆さんが取り組みやすいことを中心に紹介しました。実際にやっていることや今まで意識していなかったことなどあると思いますが、自分でできることを一つ一つ丁寧に行っていくようにしましょう。

【準備の大切さを再確認しよう】

●規則正しい生活を実践することが最も優先されること
●睡眠不足は集中力を欠き、不用意なケガの一因ともなる
●シューズやスパイクの摩耗は下肢だけではなく上肢のケガを誘発することがある
●ウォームアップは自分自身との対峙する時間。体を確認しながら準備しよう
●左右差が見られる場合は必要に応じて改善していこう
●運動前後や運動中の水分補給・エネルギー源の補給も事前の準備が大切

文:西村 典子
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