目次

[1]今日から始められる「規則正しい生活」/足元を見直してみよう
[2]自分の体と対峙するウォームアップ/水分・エネルギー源の補給を忘れずに


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 待ちに待った野球シーズンがやってきました。オフシーズンに積み重ねてきた練習がこれから実践の場で活かされていくことでしょう。不用意なケガには気をつけて、来たるべき公式戦に備えてくださいね。さて今回はシーズン始めの時期に再確認しておきたい「準備の大切さ」についてお話をしようと思います。練習や試合に臨む準備の段階で、その日のパフォーマンスは大きく左右されるものです。どのようなことを心がければ良いでしょうか。

今日から始められる「規則正しい生活」



足元のシューズやスパイクが摩耗していないかを確認しよう

 冬休みや春休みなど休暇期間が長くなるとついつい夜更かしをしてしまう…といったことはないでしょうか。学校の授業がない期間は生活リズムが乱れがちです。寝る時間が遅くなると起きる時間が遅くなってしまったり、早朝から練習や移動などで早起きをした結果、寝不足になってしまったり、といったことが起こります。良いパフォーマンスを支える根幹には「十分な休養=睡眠」が必要不可欠です。高校生であれば最低でも7~8時間は睡眠時間を確保したいところですが、皆さんは十分に睡眠を取っているでしょうか。パフォーマンスを支える準備として最も優先されるものです。

 寝不足は脳の判断力や集中力を鈍らせるだけではなく、体の動きにも影響を及ぼします。脳からの指令そのものが鈍くなるだけではなく、脳の指令に対して体がうまく反応しないと言い換えることもできます。練習の成果を十分に発揮するためにも、まずは十分な睡眠を取ること、そしてそのためには規則正しい生活を送ることを心がけましょう。起床時間を一定にし、そこから逆算して就寝時間を守るようにします。寝る直前までスマホを使っていると頭が冴えて睡眠の質が低下し、さらには視力低下や崩れた姿勢の一因ともなるため、スマホを見る時間を決めておく等メリハリをもって使うことが大切です。不用意なケガや体調不良を防ぐためにも、まずは生活リズムを整えることから始めましょう。

足元を見直してみよう

 準備の大切さとして、野球を行う用具についても確認してみましょう。特に気をつけたいのが足元をサポートするシューズ・スパイク類です。新しいものが良いというよりは、自分の体(足)に適したものを着用しているか、そしてシューズが摩耗していないかをチェックしてみましょう。「まだ捨てるにはもったいない」といってすり切れたランニングシューズを履いている選手を見かけることがありますが、すり減ったシューズは本来持つ靴の機能が低下し、足が靴の中で動いてしまったり、荷重が偏ってしまったりすることがあります。クッション性が乏しくなって、ジャンプの着地や片足で体を支えるような動作時に、足首や膝、股関節などの荷重関節(体重のかかる関節)に大きな負担がかかってケガをするリスクも高まります。足元のバランス機能が低下すると、下肢だけではなく、肩や肘を傷める要因となることもありますので、シューズは消耗品であると割り切って必要に応じて買い換えるようにしましょう。