目次

[1]ディトレーニングとは
[2]スタミナをつけるためには「継続は力」


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 早いもので今年も残り半月となりました。選手の皆さんはオフシーズンの体づくりを中心に、日々汗を流していることと思います。汗をかいた後は濡れたウエアを着替えるなどして、風邪などひかないように注意してくださいね。さて今回はまとまった休みなどによってトレーニング効果はどのくらい影響を受けるのかについて考えてみたいと思います。トレーニングをしない期間が続くと今までの苦労はどうなってしまうのでしょう?

ディトレーニングとは


 皆さんは「ディトレーニング(脱トレーニング)」という言葉を聞いたことがありますか。これは単にトレーニングを中止、もしくは一時的に休むことという意味だけではなく、今まで続けてきたトレーニングによる効果が部分的あるいは完全に失われてしまうことを指します。長期休暇をはじめ、病気やケガなどによって体を動かさない期間が長くなると、体はディトレーニングの影響を受けると考えられています。

全身持久力と筋力はどのように変化する?

 さまざまな研究からディトレーニングは全身持久力や筋力に大きな影響を及ぼすことが明らかになっています。全身持久力の指標としては、単位時間あたりに組織が酸素を取り込む量の最大値である最大酸素摂取量(VO2max)が主に用いられます。全身持久力は運動中断による変化が早く、継続してトレーニング行っている選手がトレーニング中断すると2週間以内の短期間であってもVO2maxが有意に低下するという研究報告があります。お盆休みや冬休み、テスト明けの練習再開時の練習で、スタミナが続かずすぐに息が上がってしまうような経験した選手も少なくないと思いますが、これはディトレーニングによる全身持久力の低下が一因と考えられます。

 一方、筋力は全身持久力に比べるとトレーニング効果はある程度維持できると考えられています。トレーニングを継続的に行っている人を対象にした研究では、2週間以内の中断期間があっても最大筋力は有意に低下しなかったことが報告されています。しかしトレーニング中断によって筋肉量は少しずつ減っていくため、4週間のディトレーニングでは筋力が3~14%減少したという報告もあります。短期間ではあまり大きな影響を受けないものの、それが長期にわたると筋力も次第に低下していくと考えられます。