目次

[1]筋力バランスを整えるためにトレーニングをする
[2]肝臓の位置が及ぼす動作への影響


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 本格的なオフシーズン期が近づいてきました。また寒暖差が激しく、体調管理にも気を使う時期でもあります。選手の皆さんには引き続き感染症対策を行いながら、野球の練習や試合に励んで欲しいと思います。さて今回は、体の左右差について考えてみたいと思います。野球は非対称の動作が多く、筋力などに偏りが出やすい傾向にあります。その一方で体そのものが左右非対称であるということについても考えてみたいと思います。

筋力バランスを整えるためにトレーニングをする


 皆さんは体づくりのためにトレーニングを行うと思いますが、野球選手におけるトレーニングの目的は大きく4つ挙げられます。「ケガの予防」「競技パフォーマンスの向上」という理由に加えて「筋力バランスを整える」「心理的な安心感を得る」といったことも挙げられます。

 野球の動作ではバッティングやスローイングなど非対称となる動きが多くあります。中には両打ちができる選手もいますが、両投げの選手を見かけることは少なく、野球は左右非対称の動作を繰り返すことの多いスポーツと言えます。練習を積み重ねるうちに、例えば投球側の関節可動域(関節の動く範囲)が狭くなってしまったり、あまり使わない非投球側の筋力が反対側に比べて落ちてしまったり、といったことが起こります。

内臓の配置は左右非対称


 一方で人間の体はもともと「非対称である」ということを理解しておく必要もあります。まず内臓について考えてみましょう。肺や腎臓など一対になっているものもありますが、多くの臓器は一つであり左右どちらかに偏って位置しています。肺や腎臓自体も大きさや位置が対称ではありません。

 心臓は体の中心からやや左側付近にあり、体の中で最も大きい臓器と言われている肝臓は体の右側に位置しています。小腸や大腸も対称的に配置されているのではなく、お腹の中にあるスペースにうまく組み込まれています。肝臓は成人男性でおよそ1kg~1.5kgの重さがあり、人間の体はこれによってやや右荷重になりやすい傾向にあるといえます。足の大きさを正確に測定してみると、右足の方がやや大きいという人が多いとも言われています。