目次

[1]アクシデントによる急性外傷が多い
[2]姿勢を維持することによる腰背部の痛み


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 例年になく早い梅雨入りとなっているところも多いようですが、選手の皆さんは日々の練習に励んでいることと思います。雨天が続くとグランドでの練習が十分にできないこともありますが、今の環境でできることに集中して練習してほしいと思います。さて今回はポジション特性として特異的な側面を持つキャッチャーについて考えてみたいと思います。野球でただ一人、守備陣と向かい合い「扇の要」として活躍するキャッチャーというポジションはどのような特性があるのでしょうか。

アクシデントによる急性外傷が多い


 キャッチャーはピッチャーをリードし、ホームを守り、内野手・外野手の連携指示を出し…とその役割は多岐にわたります。打者によるファウルチップを始め、ピッチャーの悪送球による打撲、捕球時などの突き指などはよく見られるケガの一つです。ホーム上でのクロスプレーではランナーやボールと接触して打撲するケースや、相手ランナーのスパイクが体に接触してしまい、流血してしまうといったことも起こります。野球はスポーツ外傷の少ないノンコンタクト(非接触型)スポーツとして扱われますが、キャッチャーだけは例外的にコンタクトによる急性外傷が多いポジションと言えるでしょう。そのためキャッチャーは専用のプロテクターやマスク、レガースをつけて防御します。

屈伸運動による膝や股関節の痛み


 キャッチャーはピッチャーからのボールを捕球するたびに、返球動作で「立って座って」という屈伸運動を繰り返します。膝の屈伸運動で膝関節が90°程度であれば、反復動作による膝への影響はさほど気になりませんが、腰を沈めて座る姿勢になると膝関節は最大限曲げられ(130°程度)、荷重による負荷が大きくなります。膝関節内にはクッション的役割を持つ半月板という軟骨が存在し、繰り返される物理的ストレスに対応しますが、過度に負担がかかると膝関節を痛めることになってしまいます。またブロッキングの動作では膝を内側に締めて、ボールが体の前で止まるように構えますが、このような姿勢も繰り返し行っていると膝の内側を痛めやすくなります。さらに屈伸動作によって股関節に痛みを覚える選手も少なくなく、股関節を保護するために存在する関節唇を傷めるケースもあります。