目次

[1]それぞれの特徴を理解しよう
[2]サーフェスと体の間にあるスパイクやシューズを見直そう


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 新型コロナウイルスによる部活動への影響が懸念される日々が続きますが、皆さんはいかがお過ごしですか。学校によっては全体練習を制限したり、県境を越えるような練習試合が中止されたり、なかには休校措置をとる学校もあると思います。「いつもどおり」の日常とは違う中でも、今できることをしっかりと行いながらレベルアップにつなげていきましょう。さて今回はサーフェス(地面)とケガの関係について考えてみましょう。野球をはじめほとんどのスポーツは地面に足をつけてプレーをします。重力の影響とともにサーフェスによってもパフォーマンスを左右するものですが、その一方でケガを誘発する原因となることもあります。

それぞれの特徴を理解しよう


 野球の練習やトレーニング、試合などで利用することの多いサーフェスの特徴を理解しておきましょう。

【土のグランド】
野球のシーンではより多くの時間で使われるサーフェスです。アスファルトなどに比べると荷重関節(足、膝、股関節など体重のかかる関節)への負担は少ないといわれていますが、一方で地面からもらう反力(重力で地面を押しつけた力に対する地球からの反発力)は小さくなります。バネを活かしてスプリントなどを行う時は、ジャンプ時に足首を固定してバネのように反発することで、より大きな地面反力(床反力ともいいます)を得ることができます。スパイクなどでグランドが荒れてしまうと、イレギュラーバウンドの発生が多くなります。

【アスファルト】
アスファルトは特にトレーニングやランニングの場面で使われることが想定されるサーフェスです。学校周辺を走ったり、グランドとは別の場所でトレーニングを行ったりという場面では、多くの場合、アスファルトの上で激しい運動を行うことになります。アスファルトは土のグランドと対照的に地面からの反力が高いため、繰り返しの動作によって荷重関節に負担がかかりやすくなります。特に脛の前部が痛くなるシンスプリントなどを誘発することが多く、これはサーフェスとともにランニングフォームやシューズの問題などを確認することが必要となってきます。

【人工芝】
人工芝を敷き詰めたサーフェスはグランドや球場によって違いがみられますが、基本的に人工芝の下層はアスファルトで固められているためクッション性が低く、アスファルトに準じたサーフェスといえるでしょう。練習量や強度が多くなるにしたがってシンスプリントに準じた痛みを生じたり、ランニングフォームが崩れて骨盤の位置が過度に前傾したり(反り腰)、後傾したり(お尻がいわゆる「落ちた」状態)して、腰を傷める選手もいるので注意が必要です。一方で地面反力を養うランニングは適応しやすく、トレーニングでは寝転がったり、立ち上がったりと手を地面についたりとさまざまな姿勢をとりやすいサーフェスでもあります。

【砂地・砂浜】
砂地や砂浜が使える環境にあるチームはこうしたサーフェスをトレーニングやランニングなどで取り入れることができます。砂地の特徴としては地面反力はほとんど期待できず、足を蹴ってしまうと前進にはつながりにくいため、しっかり腿を上げていくことが必要となります。また体のバランスを保つことがむずかしいため、バランス能力の強化としても活用することができます。