目次

[1]アクシデント(スポーツ外傷)
[2]打撲で気をつけたい部位(頭・頸部、顔面、胸部など)


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 新学期となり、新入部員を含めてチームが賑やかになったところも多いと思います。皆さんはこれから練習を積み重ねて、春のシーズンや夏に向けて試合に臨むことになると思いますが、試合ができることに感謝し、楽しんでプレーをしてもらえればと思います。さて今回はトレーナーも頭を悩ませる試合中のアクシデント対応です。さまざまなことが想定されますが、比較的よく見られるものを中心にお話をしていきたいと思います。

アクシデント(スポーツ外傷)


 野球のプレー中に発生するアクシデントはさまざま考えられますが、よく見られるのが突発的に起こるスポーツ外傷と、試合中の体調不良です。野球はノンコンタクト(非接触)スポーツと呼ばれ、相手と接触したり、ぶつかったりすることの少ない競技とされていますが、頻度は低いもののスポーツ外傷は発生します。その代表的なものがボールが体に当たるケース(デッドボールなど)です。

 ボールが体のどこに当たったのか、どのくらいの速さで当たったのか、ボールをよけながら当たったのか、それとも不意に当たったのかといったさまざまなことを確認し、打撲としての応急対応を行うようにします。基本的には患部を氷などで冷やすアイシングを行い、安静にするところですが、試合中であればそのままプレーを続行することも十分に考えられます。プレーを続行する場合は痛みや違和感などがプレーに大きな支障がない場合に限り、たとえば歩いたり走ったりする状態でいつものような動きができない場合はプレーを中断し、交代を検討するようにしましょう。試合でよく使われるコールドスプレーは一時的に痛みの感覚を和らげるものであり、持続性は期待できないものであるということも覚えておきましょう。

 目安としては自分のパフォーマンスが「100%発揮できる」というコンディションから考えて、アクシデント後の状態がどの程度なのかを判断します。90%、80%レベルであれば、ある程度プレーが継続できると判断できますが、60%、50%と下がっていくにつれ、プレーよりも患部の安静や医療機関の受診などを優先させる必要があります。トレーナーなどの専門家がその場にいるようであれば、しっかりと判断してもらいましょう。また多くの選手はアクシデント後も「大丈夫です」とプレー継続を希望する傾向が見られますが、大丈夫と言われてもその言葉だけではなく、動きなどもしっかり把握した上で判断することが大切です。