目次

[1]移動で疲れるのは体を動かさないから/エコノミークラス症候群(肺動脈血栓塞栓症)について
[2]移動中にできること〜水分補給/移動中にできること〜座ったまま体を動かす/移動中に寝ることのリスク


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 いよいよシーズンイン。春の練習試合が解禁となり、実践練習を行っているチームも多いと思います。一方で地域によってはまだまだ十分に練習環境が整わず、活動に制限のあるチームも少なくありません。選手の皆さんが思いきってプレーできる日常が、一日でも早く戻ってくることを願っています。さて今回は移動中のコンディショニングについて考えてみたいと思います。試合会場にバスで長距離移動をする場合、移動してすぐにウォームアップなどを行う場合など「体の調子がイマイチだな…」と感じることはありませんか。長距離移動後にもより良いコンディションを保つためにはどのようなことに気をつければいいでしょうか。

移動で疲れるのは体を動かさないから


 移動中同じ姿勢で座り続けると、動いているときに比べて体全体の血液循環が悪くなることは想像できると思います。しばらくの間であれば我慢できるものでも、これが1時間を越え、より長い時間を座わったままで過ごすことは体にとっても大きなストレスとなります。

 移動中は「睡眠時間」と考えて休んでいる選手もいると思いますが、その場合でも体を動かさないことは同じですし、また移動中に寝てしまうと知らず知らずのうちに体勢が崩れて腰や膝などが痛くなることも考えられます。体の大きな選手は特に狭いスペースの中で体を持て余すこともあるのではないかと思います。

エコノミークラス症候群(肺動脈血栓塞栓症)について

 皆さんはどこかでエコノミークラス症候群という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。これは長時間体を動かさない状態が続くと、血液粘度(けつえきねんど:血液の流れやすさの指標)が高まっていわゆる「血液ドロドロ」状態となり、血液中に血栓と呼ばれる血液の塊のようなものができてしまうことで起こります。

 血栓が血液中を流れて肺動脈で詰まってしまうと息切れや胸痛を伴い、重症になると命にも関わってしまうものです。これは飛行機のエコノミークラスの乗客から多くこのような症状が報告されたことからエコノミークラス症候群と呼ばれるようになりましたが、これは飛行機のみならず、体を動かさない状態が長時間続くと起こりうるものです。

 長時間移動によって体が動かない状態を強いられていても、血液の状態をなるべく正常に保つためには適切な水分補給を行うことと、血液循環をよくするために体を動かすことが挙げられます。