第255回 野球に必要なトレーニングを再確認2020年10月15日

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【目次】
[1]野球が上手くなるため、そしてケガを予防するためにトレーニングを行う
[2]肩の強さをもたらすもの

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 朝晩の気温差が激しく体調管理のむずかしい時期となりました。今年は感染症予防を徹底していることと思いますが、引き続き手洗い・うがい・マスクの着用などを心がけて過ごすようにしてくださいね。さて今回は指導者の先生から「どうしても選手が上半身のトレーニングばかり重視する」という相談を受けたので、野球に必要なトレーニングについて改めて考えてみたいと思います。

野球が上手くなるため、そしてケガを予防するためにトレーニングを行う



野球が上手くなるため、そしてケガを予防するためにトレーニングを行う

●トレーニングを行う目的を再確認
野球選手がトレーニングを行う上でまず理解しておきたいことは「何のためにトレーニングを行うか」ということです。時には技術練習よりも優先して行うトレーニングは「ケガを予防するため」「パフォーマンスの改善・向上のため」であることを覚えておきましょう。中にはトレーニングそのものに興味をもち、熱心に行う選手もいますが、あくまでも野球に活かせるような内容で行うことが大切です。ウエイトトレーニングでは主に筋力強化が見込めますが、筋肉量が増えると自然と体重も増え、体が重いと感じることがあるかもしれません。「飛距離が伸びた」「球速が上がった」といったパワーアップと引き換えに、「動きが鈍くなった」ということでは野球のパフォーマンスに支障をきたす場合もあります。トレーニングの方向性を確認しつつ、技術練習と並行しながらよりレベルアップしたプレーができるようにしていくことが大切です。

●偏ったトレーニングはフォームや姿勢に影響を及ぼす
上半身のトレーニングそのものは野球にとっても重要なものが多く、実施することは特に問題ありません。ただし偏った内容で行っていると、筋肉のバランスが崩れて、姿勢やフォームにも悪影響を及ぼす可能性があります。わかりやすい例をあげると上半身のトレーニングはベンチプレスばかり行っているというケースなどです。ベンチプレスは主に大胸筋や上腕三頭筋、肩の前方にある三角筋などの強化につながりますが、筋肉が疲労などによって柔軟性が低下した状態が続くと、肩関節にある上腕骨骨頭の位置が前方にシフトし、背中が丸まってくることなどが考えられます。さらに三角筋の筋肉量が増えると腕を上げるスムーズな動作を妨げることもあります。肩がうまく上がらないと体を傾けたり、開いたりして何とか上げようとするため、肩の前方や肘への負担が大きくなり、ケガのリスクが高まります。これはほんの一例ですが、ベンチプレスを行うのであれば広背筋など背中を鍛えるトレーニングも行って筋肉のバランスを考慮する必要があります。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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