第254回 体を支える脊柱の働きと腰痛2020年09月15日

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【目次】
[1]脊柱が持つ3つの役割
[2]脊柱の構造を知っておこう
[3]腰の回旋動作は胸椎が担う
[4]腰椎の前弯が強くなると腰椎分離症のリスクも

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 暑さによる気候の急変で雷雲が発生したり、台風が近づいたりする気候となりました。屋外で活動する皆さんは日頃から天気予報などで情報収集をしていると思いますが、見上げた空の状態がいつもと違って暗くなっていたり、冷たいひんやりした風が吹く時は要注意です。天気の急変を見逃さず、安全第一で練習に励んでくださいね。さて今回は野球選手によく見られる腰痛について、体を支える脊柱の構造や働きとともに考えてみましょう。

脊柱が持つ3つの役割



脊椎の構造を理解しておこう

 脊柱には大きな役割が3つあります。1つ目は体を支える柱としての役割、2つ目は体を前後左右に動かしたり、回旋動作を可能にしたりする運動機能としての役割、3つ目は脊柱管という管の中にある脊髄を保護する役割です。スポーツが持つダイナミックな動きを支えているのは脊柱の働きが大きいと言えるでしょう。

脊柱の構造を知っておこう


 背中側に位置する脊柱(背骨)は椎骨という骨が積み重なって一本の柱を構成しています。この椎骨は首部分に7個、胸部に12個、腰部に5個あり、それぞれを頸椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)と呼びます。腰椎よりも下には仙骨(せんこつ)、尾骨(びこつ)という骨が存在します。椎骨と椎骨の間には椎間板という軟骨組織があり、荷重による物理的ストレスを和らげるクッション的な役割を果たしています(図253_1)。

 正面からみると脊柱は一本の柱のようにまっすぐ見えますが、横から見ると緩やかなS字カーブ(専門用語ではアライメント=配列のこと)を持っています。このカーブが乱れてしまうと腰痛を引き起こしやすくなります。頸椎と腰椎はやや前方にカーブを持ち、胸椎はやや後方にカーブを持ちます。たとえば頸椎のカーブが少なくなるとストレートネックと呼ばれるような状態となり、頸部痛や頭痛などの要因ともなります。腰椎のカーブが少なくなると骨盤が後傾しお尻が落ちて、猫背になりやすく、パフォーマンスにも影響を及ぼすようになります。逆にカーブの傾斜がきつくなると「反り腰」のような状態となり、腰椎に負担がかかって痛みを引き起こすことがあります。

 野球に限らずスポーツは体を大きく曲げたり、反ったり、ひねったりという動作を伴います。この時に背骨が本来持つ動きをスムーズに行うことができれば良いのですが、背骨に付着している筋肉が硬い状態だったり、背骨が持つカーブそのものが乱れていたりすると、強い外力に耐えられずに痛みを引き起こす場合があると考えられます。

【次のページ】 腰の回旋動作は胸椎が担う

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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