第248回 内転筋群の役割とパフォーマンス2020年06月30日

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【目次】
[1]内転筋群と野球の動作
[2]伸張性収縮と肉離れの関係/股関節の動きと内転筋群の強化

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 学校の再開とともに皆さんのチームでも少しずつ活動の範囲が増えてきたでしょうか。多くの地域で代替案による地方大会が開催されることが決定しています。感染予防に努めながら体力を回復させ、今まで野球を通して培ってきたものを思う存分発揮してほしいと思います。さて今回は体のことについて、特に太ももの内側にある内転筋群の役割とパフォーマンスについてお話をしたいと思います。

内転筋群と野球の動作



大腿中央横断面の模式図(右大腿部を下から見た図)※

 人間の体には「内転筋」という名前のつく筋肉が複数存在しますが、最も知られているのが太ももの内側にある内転筋群(短内転筋、長内転筋、大内転筋)です。骨盤と太ももにある大腿骨とをつなぎ、主に太ももを内側に引きつける内転動作を担います。

 太ももの筋肉といえば、前面にある大腿四頭筋、後面にあるハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)に注目しがちですが、内転筋群はその筋断面積をみると、ハムストリングスに匹敵するほどの筋肉量があり※、目立たないながらも大きな力を発揮する筋群といえるでしょう。

 内転筋はさまざまな動作において動員されます。太ももを体の近くに引きつける内転動作はもちろんですが、ランニング時には大腿四頭筋やハムストリングス、臀部の筋群とともにその動きをサポートしながら力を発揮します。また股関節の動きにあわせて姿勢を制御する働きがあり、特に片足で姿勢を支持する時には体が外側に流れてしまわないように、内転筋はバランスを保持するように働きます。

 野球でのピッチングやバッティングにおける、いわゆる「下半身の粘り」とは、片足の状態から次の動作へと移行する時に主に内転筋群が伸ばされながらも力を発揮する伸張性収縮による力発揮のことを指しているのではないかと考えられます。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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