第242回 練習再開について気をつけること2020年03月31日

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【目次】
[1]体力は少なからず落ちている
[2]運動後はしっかりと疲労回復・よく寝ること


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 新型コロナウイルス感染拡大による影響を懸念し、センバツ高校野球大会が中止になってしまいました。出場が決まっていた選手やチーム関係者の皆さんにとっては想像したこともなかった事態に戸惑い、残念な思いをされていることと思います。

 部活動、スポーツができる環境は当たり前ではないということを改めて実感せざるを得ません。この事態が早く収束に向かうことを願いつつ、今できること、これからの取り組みなどについてお伝えできればと思います。さて今回は部活動の練習が再開されるときに気をつけたいことについて考えてみましょう。

体力は少なからず落ちている



ジャグを使って水分補給をする場合は使い捨てコップ、もしくはマイコップにすること

 前回のコラムでは運動レベルや頻度が落ちてしまったときに起こる体の変化についてお話をしました。自宅などでそれぞれが個別に自主練習を行ったり、体力維持のためにトレーニングを行ったりといった取り組みをしていることと思います。

 そこから全体練習が再開されたときに急激に運動量や運動強度が上がってしまうと、体にとって大きな負担となり、疲労が蓄積されていくことになるでしょう。いくら自宅で体を動かしていたとはいえ、いつも以上に運動できる環境にある人はほとんどいないはずなので、体力は少なからず落ちていると考えるのが妥当です。

 トレーニングの原則にも「トレーニングの質と量は少しずつ増加させていくようにする」という漸進性(ぜんしんせい)の法則があります。運動に対する「量」「強度」「頻度」といった変数を理解し、段階的に高めていくようにしましょう。

 また全体練習の場合は、一人ひとり体力レベルが違っているということもありますので、特に指導者の方は選手たちのフィジカル面を考慮をしながら練習を行い、必要なところは全体練習後の自主練習などで補うといった配慮も必要となってくるでしょう。

チームで行う感染症対策


 風邪やインフルエンザなどの感染症と同様に対応することが必要です。3月24日に文部科学省が発表した「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」では、集団感染の要因となりやすい3つの条件(換気の悪い密閉空間、多数の人が集まる密集空間、間近で会話や発声をする密接空間)が重ならないように配慮し、手洗いの徹底、咳エチケットを徹底することが求められています。

《心がけたいこと》
・共同で使う物品については消毒をする、もしくはそれがむずかしい場合は使用後に各自が手洗いを行うことを徹底する
・運動中の水分補給については、必ずマイコップを持参するか、個人で水筒などを持参するようにし、コップの使い回しを避ける
・食事を伴う場合についてはビュッフェ形式を避け、他人とシェアしないお弁当などで対応する
・部室を利用する際は大人数が一度に利用するのではなく、少人数のグループごととしたり、時間を決めて長時間その場にとどまることのないようにする
・体調が優れないと感じたらすぐに指導者に伝える(部活動参加を見合わせて自宅で休養すること。マスクがあればマスクを着用する)

 部活動を行っているときは感染経路を遮断することが大切です。手洗いやうがいには病原体が感染経路から体内に入ることを予防する効果があることを理解し、必ず行うようにしましょう。

参考資料)文部科学省:令和2年度における小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等について(通知)

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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