第233回 腰痛と体幹トレーニング2019年11月15日

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【目次】
[1]腰痛の原因はどこにある?
[2]基本の体幹トレーニング〜ドローイン〜


こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 野球を続けていると中には腰痛に悩まされる選手もいるのではないでしょうか。四足歩行から二足歩行へと進化した人間にとって、腰痛は宿命ともいうべきものですが、激しい運動を行うアスリートにとっては大きな問題です。今回はアスリートを悩ませる腰痛と体幹トレーニングについて考えてみたいと思います。

腰痛の原因はどこにある?



腰痛予防や改善を目的とする体幹トレーニングは腹横筋など深層筋群を意識しよう

 腰痛はどうして起こるのでしょう。整形外科的な問題から内科的な問題、さらには精神的な問題までその原因はさまざまです。まずはその原因が何かを突きとめることが腰痛改善への第一歩です。痛みがどんどん強くなる、なかなか改善しない、プレーに支障が出るという場合はまず専門家に相談したり、医療機関を受診したりして適切な対応をとることが大切です。「腰痛に効く」というストレッチやトレーニングは、その人の症状にあっていればいいのですが、異なる理由の場合は逆効果になることもあるので注意が必要です。

 アスリートによく見られる腰痛としては、「腰椎分離症・すべり症」「腰椎椎間板ヘルニア」「急性腰痛症(ぎっくり腰)」「筋筋膜性腰痛(腰痛症)」など。また肉体的な疲労によって腰に痛みが出る場合もあります。いずれにしてもその多くは手術療法ではなく、運動指導を中心とした保存療法です。痛みを我慢しながらプレーするではなく、まずは適切な休養をとったり、リハビリテーションの指示を受けて実施したりするようにしましょう。

原因がはっきりわからない腰痛


 一方で検査などを行っても「骨や筋肉に異常がなく、はっきりとした原因がわからない」といわれるケースもあります。このような場合でも改善につながるようなストレッチやトレーニングなどを指示されると思いますので、まずは指示されたものを続けて行うようにしましょう。筋肉の柔軟性が低下することによって、腰椎などに負担がかかることも十分に考えられます。体の硬さは腰痛のリスクを高めます。

 さらに背骨を支える筋肉が衰えていることも腰痛の一因として挙げられます。背骨はゆるやかなS字カーブをもつのですが、腰椎部分はゆるやかに体の前方へとカーブしています。構造上、後方の背筋が強く張っていたり、前方の腹筋が弱くなっていたりすると、カーブの曲がりがきつくなって腰痛を起こしやすくなると考えられています。ここでいう腹筋は腹直筋などの大きな筋肉ではなく、より背骨に近いところに位置する腹横筋などを指します。腰痛改善のための体幹トレーニングとは、腹横筋をはじめとする背骨に近い深層筋(インナーマッスル)を鍛えることが中心となります。

【次のページ】 基本の体幹トレーニング〜ドローイン〜

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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