第232回 トレーニングの習慣と年間計画2019年11月03日

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【目次】
[1]トレーニングの重要さはわかっているけど
[2]公式戦終了後の秋〜冬にかけて(筋肥大期)


こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 各地方で行われていた秋季大会も終盤となり、多くのチームは実践練習とともに体力レベルを上げるためのトレーニングを並行して行っていることと思います。トレーニングは試合期にも必要なものですが、その時期ごとにあった内容を選択することが大切であり、本格的なオフシーズンと試合期では行う内容に違いが見られます。今回はトレーニング習慣と年間計画ということでお話をしたいと思います。

トレーニングの重要さはわかっているけど



トレーニングは年間を通して行うことが望ましいが、内容は時期にあったものを選ぶ

 ここ数年でTwitter、インスタグラムといったSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)が爆発的に普及し、高校野球選手たちが憧れるプロ野球選手のトレーニング動画やその方法などに関する記事などが誰でも簡単に見られるようになりました。今では高校生の多くが「トレーニングは大切」であることを理解していると思います。一方で「プロ野球選手が行っているものだから、自分もやる」ということは、正しいケースもありますが、間違ってしまうケースもあります。そのエクササイズは自分にとって必要な体力要素を鍛えているものなのか、そもそも土台となる筋力レベルがプロ野球選手とでは大きく違うのではないか、そして正しいフォームでできているのかどうか、といったことをチェックしながら進めていく必要があります。

 またトレーニングはただ回数をこなせばいい、ただ体(=体重を含む)が大きくなればいいというものではなく、野球選手には野球選手に必要なものをしっかりと身につけていく必要があります。取り組みやすい上半身や腕周りばかりを鍛えていないか、腹筋や背筋といった体幹部分のバランスは適切か(背筋が強すぎたり、太ももの前面ばかりが強くなると反り腰になりやすく、腰椎に負担がかかるため)といったトレーニングの内容が大切になってきます。体力には大きく8つの要素があると言われており、トレーニングを行う際はその時期、その時期にあった「期分け(専門用語ではピリオダイゼーション)」を行いながら、野球の技術練習だけでは偏りがちな8つの要素を効率よく高めていくことが必要なのです。

《8つの体力要素》
1)筋力(筋肉が発揮する力)
2)スピード(筋肉が力を発揮する速さ)
3)パワー(筋力×スピード、いわゆる瞬発力)
4)敏捷性(方向転換を伴う動きの調整力)
5)柔軟性(筋肉・腱等の柔らかさ、関節可動域の広さ)
6)バランス(自分の身体を支えるバランス感覚)
7)全身持久力(心肺機能の強化、スタミナ強化)
8)筋持久力(筋肉を継続的に動かす力)

【次のページ】 公式戦終了後の秋〜冬にかけて(筋肥大期)

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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