第231回 運動連鎖とエクササイズの種類2019年10月15日

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【目次】
[1]運動連鎖(キネティックチェーン)とは
[2]それぞれのメリット・デメリット


こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 野球が上手くなるためには技術練習を行うことはもちろんですが、それを支えるだけの体力レベルの向上も必要となってきます。フィジカルトレーニングは体の「土台づくり」であり、同時に野球が上手くなるためにより近道となるエクササイズを選択して行っていくことが大切です。今回はスポーツをする上で理解しておきたい運動連鎖とエクササイズの種類についてお話をしたいと思います。


運動連鎖(キネティックチェーン)とは



投球時における運動連鎖の模式図

 スポーツを行うとき、ある一部分だけを動かすというよりも、さまざまな筋肉や関節などを動かしながら複雑な動作を行うことが圧倒的に多いと思います。野球は足を地面につけて動作を始めることが多く、投球動作であれば地面を使って得られた力を「足→体幹→腕→指」へと伝達し、最終的にボールに力を加えながらリリースすることでより速いボールを投げることができます。バッティング動作も同じく「足→体幹→腕→手首→バット」へと力を伝え、最後にボールとバットをアジャストさせることでボールを前に飛ばします。このようにさまざまな筋肉や関節などが連動して働くことを「運動連鎖(キネティックチェーン)」と呼びます。

 【運動連鎖に基づく2種類の運動】

 運動連鎖に基づく運動は大きく2種類に分けられます。それぞれの運動形態を理解しておくと、より良いエクササイズの選択につながります。

《OKC=open kinetic chain(オープンキネティックチェーン)》
 OKCとは「オープンキネティックチェーン:open kinetic chain」を略したものです。エクササイズを行うとき、手先や足先など体からより離れた遠位部にある関節が固定されず、自由に動かせる状態にあるもので、日本語では「開放的運動連鎖」とも呼ばれます。簡単にいえば体の末端にある足や手が固定されないもので、マシンを使ったトレーニングの多くはOKCです。体幹部を固定し、手は自由に動かせるベンチプレスやアームカールなどもOKCに分類されます。

 《CKC=closed kinetic chain(クローズドキネティックチェーン)》
 一方、CKCは「クローズドキネティックチェーン:closed kinetic chain」と呼ばれ、手先や足先などが固定された状態で行う運動のことを指します。OKCの「開放的運動連鎖」に対し、CKCは「閉鎖運動連鎖」と呼ばれます。CKCエクササイズは体の末端にある足や手が床などに固定された状態で行うもので、フリーウエイトを使ったものの多くがCKCに分類されます。スクワットやランジは足が固定されており、プッシュアップ(腕立て伏せ)は手が地面に固定されているため、いずれもCKCエクササイズとなります。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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