第227回 野球のプレーに欠かせない回旋動作を担う胸郭の働き2019年08月15日

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【目次】
[1]胸郭とは
[2]普段からできる胸郭のエクササイズ


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 連日甲子園では熱戦が繰り広げられていますね。新チームが始動した多くの高校では、この夏休み期間に遠征や練習試合などを行っていることと思います。暑い日が続きますのでしっかりとコンディションを整えて過ごしてくださいね。さて今回は野球のプレーに欠かせない回旋(ひねり)動作を担う胸郭の働きと動きについてお話をしたいと思います。

胸郭とは


胸郭の構造を理解しよう

●胸郭とは
 胸郭というのは腰の上に位置し、胸部を保護する「かご状」の骨格部分を指します。背骨の一部である12対の胸椎と肋骨、胸骨で構成され、心臓や肺などを外的ストレスから守ります。
 バッティング動作などでは腰をひねってスイングしているように見えますが、本来もっている腰椎の回旋可動域はほとんどなく(左右5°程度)、その上に位置する胸椎がその役割を担っています(左右30°程度)。
 体をひねるという回旋動作は、胸椎とそれに付随する胸郭の柔軟性を高めることでよりしなやかに動くようになります。一方、胸郭の動きが制限されてしまうと、振り返って物をとるといった日常動作のみならず、肩甲骨の動きにも影響を及ぼすため、スムーズな投球動作ができなくなったり、肩を痛めたりする原因ともなってしまいます。

●柔軟性をチェックしてみよう
 体の柔軟性はケガ予防に欠かせないものですが、回旋動作がスムーズに行えるようになると野球のパフォーマンスアップにもつながります。普段のウォームアップやストレッチを行う時に、自分で体をチェックしてみましょう。



どちらがひねりやすいか、普段と比べて今日の動きはどうかといったことを確認しよう

《壁ぎわでツイスト動作》
 壁ぎわに立ち、左右の回旋動作を行います。右打者であれば左回旋、左打者であれば右回旋のほうがスムーズに動きやすいと思います。左右差とともに「いつもと比べて動きやすいかどうか」というチェックも合わせて行いましょう。回旋動作を担う腹斜筋の柔軟性も確認することができます。右打者(左回旋)であれば右の腹斜筋が伸び、左の腹斜筋が収縮します。左打者であれば左の腹斜筋が伸び、右の腹斜筋が収縮します。



投球側のほうが可動域が狭くなりやすい。鏡や他の選手に見てもらったりしながらチェックしよう

《肘を抱えて側屈動作》
 肘を抱えて体を側屈させます。背筋や腹斜筋などの柔軟性をチェックすることができます。一般的には右投げの選手は右側が硬い傾向にあります。鏡などを見ながら行うと左右差を確認することができます。

【次のページ】 普段からできる胸郭のエクササイズ

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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