第223回 試合期とトレーニングプログラムの変化2019年06月15日

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【目次】
[1]夏の大会まで残りあとわずか!トレーニングプログラムについて考えよう
[2]試合期とトレーニングプログラムの変化


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 いよいよ6月も後半に入り、夏の大会まで残りあとわずかとなりました。3年生にとってはラストサマーとなります。自分の実力を十二分に発揮するためにも、心身のコンディションは整えておきたいものですね。さて今回は大会を目前に控えて、チームや個人で取り組んでいるトレーニングプログラムについて何をどう変化させればいいのかについて考えてみたいと思います。

夏の大会まで残りあとわずか!トレーニングプログラムについて考えよう



筋収縮のパターンは3つある。エキセントリック収縮は筋肉痛を引き起こしやすい。

●そもそもトレーニングは何のために行うのか?
 トレーニングは野球の技術を高める(パフォーマンスアップ)ための一つの方法であり、同時にケガの予防のために行うものです。トレーニングをすることによって、たとえば野球のプレーに支障が出たり、トレーニングが原因となってケガをするようなことがあれば本末転倒です。正しいトレーニングプログラムは筋力をはじめとする体力面の強化・維持に役立ちます。
 オフシーズンのトレーニング頻度から比べるとシーズン中や、試合直前はどうしても少なくなってしまいますが、適切な頻度・強度・エクササイズの選択などによって、シーズン中であってもパフォーマンスの向上に役立てることができます。反対に、今まで積み重ねてきたトレーニングをやめてしまうと、時間とともに筋力はゆるやかに低下していくことが知られています。

●筋肉痛によるパフォーマンスダウンを避けたい
 シーズン中にトレーニングを行わない理由としてよく挙げられるのが、筋肉痛による影響です。確かにトレーニングを行うと少なからず筋肉痛が発生しますが、これは筋収縮のパターンや負荷設定、行うタイミングなどによってその影響を少なくすることが可能です。

【筋収縮のパターン】
 筋収縮パターンは主に3つあります。筋肉を縮めながら力を発揮するコンセントリック収縮、筋肉の長さが変わらないアイソメトリック収縮、筋肉を伸ばしながら力を発揮するエキセントリック収縮です。このうち筋肉を伸ばしながら力を発揮するエキセントリック収縮は、筋線維へのダメージが大きく、筋肉痛が起こりやすいと言われています(懸垂で腕を伸ばしながら体をコントロールする、綱引きの綱を持って耐えながら腕が伸びるときなど)。こうしたブレーキをかけながら力を発揮する動作の多いエクササイズをなるべく控えめにしておくと筋肉痛の影響は少なくなります。

【負荷設定】
 トレーニングはメインの試合にあわせて力を最大限に発揮されるよう、スケジュールをたてて準備することが望ましいと言われています。試合が近づけば「挙上回数、セット数は少なく、より重いものを、より速く挙げる」ように変更していきます。こうすることで持っている筋力にスピードの要素が加わり、大きなパワーを生み出すようになります。挙上回数、セット数が少ないので短い時間でトレーニングを行うことができます。

【行うタイミング】
 トレーニングの頻度はおよそ週2〜3回の継続で筋力強化、週1回で筋力維持がその目安とされています。試合期間は筋力レベルを落とさないことを優先させ、週末にトレーニングを行って翌日を休養日にあてる(日曜日トレーニング、月曜日休み)、もしくは試合の翌日にアクティブレストを兼ねてトレーニングを行い、その次を休養日にあてる(月曜日トレーニング、火曜日休み)といったスケジュールが取り組みやすいと言えるでしょう。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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