第221回 骨折の種類とカルシウムの必要性2019年05月15日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]骨折も種類はさまざま
[2]「骨折=カルシウムの摂取」だけではない!


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 5月も中旬を過ぎ、過ごしやすい季節となりました。公式戦を勝ち続けているチームはもちろんですが、そのほかのチームも休日などを中心に練習試合など実践的な練習を積んでいることと思います。その中で気をつけたいのがデッドボールや接触プレーなどによる突発的なアクシデントによるケガです。この時期にケガをしてしまうと夏の大会に間に合うかどうかも気になるところですよね。さて今回はアクシデントによって起こることが多い骨折と競技復帰に向けたコンディショニングについてお話をしたいと思います。

骨折も種類はさまざま



骨折とは骨の連続性が断たれた状態のこと

●スポーツ外傷によく見られる骨折とその種類
 突発的に起こるケガのことをスポーツ外傷と呼びますが、打撲や衝突、転倒などで骨に大きな衝撃が加わり、その連続性が断たれてしまったものを骨折と言います。骨折部位にずれのないヒビ(不全骨折)や骨の一部がはがれたもの(剥離(はくり)骨折)、骨が一部陥没(かんぼつ)したもの(陥没骨折)なども骨折に含まれます。

 また骨折には骨が皮膚を突き抜けていない閉鎖骨折と、骨折と同時に骨が皮膚を突き破って骨折部位が見た目でもわかる開放骨折とがあり、開放骨折については開放部が直接外界に触れているため感染を起こすリスクが高く、迅速な対応と治療が必要となります。

 骨折部が複雑に粉砕(ふんさい)されたものは粉砕骨折、大きな外力ではなくても毎回同じ部位に繰り返し外力がかかり続けることで起こる骨折を疲労骨折といいます。疲労骨折だけは突然起こるものではなく、繰り返しの外力によって生じるケガなのでスポーツ外傷ではなく、スポーツ障害に分類されます。

●疲労骨折は慢性的なスポーツ障害
 ランニング量やジャンプ動作などのトレーニング量が極端に増えると骨に慢性的な痛みを生じることがあります。疲労骨折は1回の大きな外力で骨が折れるのではなく、同じ部位に外力が繰り返し加わることで骨に小さなひび割れが入り、通常ならば安静にするところを、さらに痛みなどを我慢した状態でプレーを続けてしまった結果、骨の連続性が断たれて亀裂を生じたものです。

 脛骨(けいこつ:すねの内側の骨)、中足骨(ちゅうそっこつ:足の甲の骨)、腓骨(ひこつ:すねの外側の骨)などに起こりやすいですが、肋骨(ろっこつ)、大腿骨、骨盤、膝蓋骨(しつがいこつ:膝のお皿の部分)などにも起こります。

 腰椎分離症は腰椎の疲労骨折です。成長期である高校生は大人に比べて骨が柔らかいため、繰り返し物理的ストレスが加わることによって疲労骨折を起こしやすい時期であるということも理解しておきましょう。

【次のページ】 病院についてからすべきこと

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第225回 熱中症が疑われるときの応急対応はどうすればいい?【セルフコンディショニングのススメ】
第224回 夏のパフォーマンスを支える飲み物とは【セルフコンディショニングのススメ】
第223回 試合期とトレーニングプログラムの変化【セルフコンディショニングのススメ】
第222回 暑熱馴化とセルフコンディショニング【セルフコンディショニングのススメ】
第220回 病院を受診するときに確認すること【セルフコンディショニングのススメ】
第880回 「休んだら終わり」からのモデルチェンジ 田中俊太選手(読売ジャイアンツ)【後編】 【2018年インタビュー】
第881回 「焦ったり力んでいるときこそ怪我をする」田中俊太選手(読売ジャイアンツ)【前編】 【2018年インタビュー】

コメントを投稿する

プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
  • 講演依頼はこちら
    講演・セミナー依頼受付中
  • 部室に一枚!!RICEポスターを無料配布中!!ダウンロードはこちらからDownload


ケガに強くなる!セルフコンディショニングのススメ
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム