第207回 体幹の役割としなやかな動作2018年12月15日

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【目次】
[1]なぜ体幹が重要なのか?3つの役割を理解しよう
[2]強さとしなやかさを兼ね備えよう

強さとしなやかさを兼ね備えよう



後屈動作が窮屈な場合は太ももの前側を伸ばしてみよう

 体幹部分は筋力をつけて大きな力を発揮することともに、柔軟性を高めて力の伝達がスムーズになるようにすることも大切です。体幹トレーニングというといわゆる腹筋・背筋のトレーニングやある動きをキープするスタビリトレーニングなどを想像すると思いますが、胴体部分をすべて含むので股関節の動きであったり、胸から上の胸郭部分をうまく動かせるようにすることもまた体幹トレーニングの一つと考えられます。表層筋や深層筋のエクササイズ(シットアップやお腹を凹ますドローインなど)とともに、体幹の柔軟性を高めるための動的ストレッチなども積極的に行うようにしましょう。

 腰椎がうまく機能しないと体を前屈・後屈させることがむずかしくなりますし、胸椎がうまく動かないとピッチングやバッティングなどに必要な体の回旋動作がスムーズに動きません。それぞれの動きやすさを引き出すストレッチ方法をご紹介します。

《前屈が動きにくい》
 お尻や太もも裏側のハムストリングスの柔軟性が低下していると考えられます。お尻・ハムストリングスのストレッチを入念に行いましょう。

《後屈が動きにくい》
 太もも前面部や股関節前側の腸腰筋(ちょうようきん)などが硬くなっていると考えられます。太ももの前側、股関節の付け根などを中心にストレッチを行いましょう。

《回旋動作がしにくい》
 胸椎の動きが悪くなっていたり、それに付着する筋肉の柔軟性が低下していると考えられます。肋骨の一番下の部分を両手で軽く押さえながら、そこから左右にゆっくりひねるように動かすようにしましょう。

《体の横倒しがスムーズにいかない》
 体幹の側面を支える腰方形筋(ようほうけいきん)や腹斜筋などの柔軟性が低下していると考えられます。軽いダンベルなどを持って体を側方に傾けながらストレッチを行うようにしましょう。

 体幹が強く安定することは、ピッチングやバッティング時のフォームを安定させて同じ動作を繰り返すことができるようになるだけではなく、姿勢の崩れによるケガを予防したり、下半身から得られた力を上肢や手、指先にまで効率よく伝えることができたりといったメリットが挙げられます。強さとともにしなやかな動作を実現させるためのコンディショニングを継続して行うようにしましょう。

【体幹の役割としなやかな動作】
●体幹とは体から頭部・手・足を除いた「胴体部分」のこと
●体幹は背骨や肩甲骨、胸郭、骨盤などの骨とそこに付着する筋肉などから構成されている
●骨に付着する表層筋は大きな動作を生み出し、深層筋は土台の安定性につながる
●体幹の3つの目的は「姿勢の維持」「動きを支える土台」「運動軸としての役割」
●筋力アップだけではなく、動的ストレッチなどを取り入れてしなやかな動きを目指そう

(文=西村 典子

次回コラム公開は12月31日を予定しております。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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