第202回 筋挫傷と長引くケガ2018年10月01日

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【目次】
[1]筋挫傷はよく経験するケガの一つ
[2]早期復帰で起こりやすい骨化性筋炎


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 秋の涼しさが心地よい季節となりました。皆さんの住んでいる地域によっては涼しさを通り越して、寒く感じるところもあることでしょう。まだまだ熱戦の続く秋の地方大会とともに、練習試合なども積み重ねて次のシーズンに向けた準備をしていることと思います。さて今回は筋挫傷についてお話をしたいと思います。筋挫傷を「ただの打撲」と思って初期対応をおろそかにすると、大きなケガにつながるかもしれません。

筋挫傷はよく経験するケガの一つ


比較的接触プレーの少ない野球でも、選手同士でぶつかって筋挫傷を起こすことがある

 野球をやっているとボールが体に当たったり、選手同士で接触したりといったことはよく見かけられるものです。ぶつかっただけであればそのままプレーをすることも多いと思いますが、いつまでも痛みが続いたり、腫れがひかなくて困ったりしたこともあるのではないでしょうか。筋肉に大きな外力が加わって損傷を受けたものをスポーツ医学用語では「筋挫傷」と呼びます。打撲によって筋肉を傷めてしまうと、腫れてきたり、内出血が見られる場合があると思います。

 このようなアクシデントにはまずRICE処置を行うことが基本となります。痛みがひかなかったり、時間とともにどんどん痛みが増すようであれば、早めに医療機関を受診して適切な処置を受けるようにしましょう。突発的に起こったアクシデントに対する急性期の痛みは通常、2〜3日で軽減するといわれています。この時期はRICE処置を優先させ、無理をしてプレーを続けることをなるべく避けるようにします。

できると思ってプレー復帰すると悪化しやすい

 太ももなど大きな筋肉を打撲し、多少腫れたり痛みがあったりしたのにプレーをした結果、さらに痛みが増してしまった…という経験をした選手も中に入るのではないでしょうか。筋肉に損傷を受け、筋線維が修復している段階でプレーを再開してしまうと、傷んだ筋肉にまた負荷をかけることになってしまいます。中には「肉離れのような痛み」を発するようになるケースもあります。肉離れは筋線維の微細損傷(細かなキズができた状態)ですが、打撲においても筋線維はダメージを受けているので、この状態で動かしてしまうと肉離れと同じような状態となってしまいます。

 時間とともに炎症症状はおさまり、場合によっては筋肉をあまり動かさないようにテーピングやサポーターなどで圧迫をするとプレーをすることも可能ですが、自己判断で行ってしまうと患部を悪化させることにつながりやすいので注意が必要です。医師の指導の下に行うことを原則とし、アスレティックトレーナーや治療資格を持つ専門家にも相談することが理想的です。

【次のページ】 早期復帰で起こりやすい骨化性筋炎

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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