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【第97回選手権大会展望】1~2回戦カードの見所、一挙紹介!各校の勝ち上がりポイントは?

2015.08.03

 第97回全国高等学校野球選手権大会の組み合わせ抽選会が3日、大阪・フェスティバルホールで行われた。高校野球発祥100周年を迎えた今年、今大会に熱い注目が集まっている。
大会は、8月6日から20日(木)までの15日間(雨天順延・準々決勝翌日の休養日を含む)[stadium]阪神甲子園球場[/stadium]で開催される。

大会1日目:学校創立100周年で甲子園出場を決めた鹿児島実業は開幕戦から登場!

 開幕戦は、4年ぶり36回目の出場を誇る北海(北北海道)と、鹿児島実(鹿児島)との対戦に。ともに予選では、継投策で勝ち上がってきただけに、甲子園でも両チームの2枚看板に注目が集まる。鹿児島実は、140キロを超える速球を武器にする橋本 拓実(3年)と、有村 健太(3年)。また、北海には、渡辺 幹理(3年)、北海山本 樹(3年)と2人の好右腕がいる。ともに打線も長打力を秘めている分、開幕から見応えのある対戦となりそうだ。

 2試合目は、岐阜城北(岐阜)と中京大中京(愛知)の東海対決に。岐阜城北は、6試合で4本塁打を記録した打線がウリだが、中京大中京もまた、長打力が自慢の伊藤 寛士(3年)を中心に、1番から9番まで気が抜けない打線。岐阜城北のエース鷲見 直輝(3年)は予選通りの打たせて取るピッチングが展開できるか。

 第3試合は、元プロの榊原 聡一郎監督率いる宮崎日大(宮崎)と、2年ぶり2回目出場の上田西(長野)。プロ注目の好打者・前田 禎史(3年)と、長打力のある4番溝上 憲伸(2年)が並ぶ宮崎日大の強打線に、上田西のエース草海 光貴(2年)が挑む。また上田西は、長野大会6試合で28盗塁を記録した機動力も武器に初戦突破を狙いたい。

大会2日目:2日目以降は全国クラスの強豪同士の対戦が続々!

高橋樹也(花巻東)

 大会2日目、第1試合は花巻東(岩手)と初出場・専大松戸(千葉)が対戦。花巻東はエースの高橋 樹也(3年)の復調が鍵となるが、好調時は、最速145キロの速球を武器に、スライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な変化球で、打者を翻弄。他にも、平澤 文太加藤 三範ら2年生左腕の実力も十分。
対する専大松戸は、エース原 嵩(3年)、1番ショートの渡辺 大樹(3年)が投打の柱となるが、下位打線からでも長打が出るところがこのチームの怖さでもある。初めての甲子園の戦いぶりに注目したい。

 第2試合は、夏の甲子園初出場同士の対決となった。霞ヶ浦(茨城)のプロ注目の好投手・綾部 翔(3年)と投げ合うのは、キレのある速球を武器にする広島新庄(広島)の2年生左腕・堀 瑞輝か。ともに小技が得意なだけに、戦術が光る一戦となりそうだ。

 一方で、甲子園常連校同士の対戦となった九州国際大付(福岡)と鳴門(徳島)との第3試合。4年連続出場を果たした鳴門は、左腕・河野 竜生(2年)と、右サイドの尾崎 海晴(2年)の2枚看板に、剛腕・中山 晶量(2年)も控えるなど選手層は厚い。九州国際大付も総合力は高く、富山 凌雅(3年)、野木 海翔(3年)と左右の二枚看板に、打線も予選では5選手が本塁打を打つなど、一気に流れを引き寄せる怖さもある。実力校同士の戦いに注目が集まる。

 第4試合は、ともに昨夏の甲子園を経験しているチーム同士の一戦に。東海大甲府(山梨)のエース菊地 大輝(2年)は、145キロの速球と多彩な変化球で勝負する全国屈指の本格派右腕。さらに、打線も決勝までコールド勝ちと破壊力十分。静岡(静岡)は、長打力、機動力のほかに、栗林 俊輔監督が大事にする守備にも磨きがかかり、隙のないチームに。盤石な試合運びを甲子園でも魅せられるか。


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[page_break:早実、敦賀気比、明徳義塾、大阪偕星学園など注目校がずらり!/智辯和歌山、天理、仙台育英など名門の戦いぶりに注目!]

大会3日目:早実、敦賀気比、明徳義塾、大阪偕星学園など注目校がずらり!

 大会3日目、第1試合は、今大会で最も注目度の高い早稲田実(西東京)が登場。今治西(愛媛)と対戦する。早稲田実清宮 幸太郎(1年)、加藤 雅樹(3年)が注目されるが、他にも好打者は多く、失点を打撃でカバーできる力がある。また、今治西は、藤原 睦来(3年)と右サイドの杉内 洸貴(3年)が投の中心。早稲田実打線を抑えられるか。

 第2試合は、春の選抜王者・敦賀気比(福井)と、明徳義塾(高知)との対戦。敦賀気比はエース平沼 翔太(3年)、山﨑 颯一郎(2年)と好投手を揃え、打線もビハインドの展開で取り返せる粘り強さがある。春夏連覇の重圧に負けず本来の力を発揮できるか。同じく、高知大会決勝で9回二死から逆転勝ちした明徳義塾も粘り強さでは負けない。昨年の岸 潤一郎のような投打の柱はいないが、今年は守備が安定し、高知大会で20犠打を決めたように手堅く試合を進めていきたい。

 第3試合は、激戦地区・大阪を勝ち上がり初の甲子園出場を決めた大阪偕星学園(大阪)と、16年ぶりの出場となった比叡山(滋賀)との近畿対決。大阪偕星学園の左腕エース・光田 悠哉(3年)はコーナーへの出し入れが上手い投手。打線は1番・姫野 優也(3年)を中心に、まずは予選同様、先制して流れを奪いたいところ。比叡山は、1試合2本塁打を打った安達 紀貴(3年)がいるが、基本は守備のチーム。滋賀大会1失策の堅い守備で自分たちのペースに持ち込みたい。

 下関商(山口)と白樺学園(北北海道)との第4試合は、下関商の左腕・森元 奏(3年)、右腕・高嶋 海斗(3年)、右サイドの村長 雄祐(3年)の継投策に注目だ。北北海道大会決勝を13対4と圧倒的な打力で勝ち上がってきた白樺学園の主砲・池田 裕介(3年)らが、下関商の継投にどう斬り込むかが鍵となる。

大会4日目:智辯和歌山、天理、仙台育英など名門の戦いぶりに注目!

平沢大河(仙台育英)

 大会4日目第1試合は、津商(三重)と智辯和歌山(和歌山)の対戦。津商のエース坂倉 誠人(3年)は打たせて取る投球が持ち味で、三重大会では36イニングで5四死球と制球力も安定。智辯和歌山が誇るスラッガー山本 龍河(3年)、春野 航輝(3年)らを抑えることが出来るか。また、智辯和歌山のエース・斎藤 祐太(3年)にも注目だ。

 第2試合は、走攻守三拍子揃った1番舩曳 海(3年)擁する天理(奈良)が登場。夏初出場・創成館(長崎)と対戦する。創成館は、投打の柱・鷲崎 淳(3年)を中心に、長崎大会2失策の自慢の守備を武器に、全国の舞台で自分たちの実力を発揮したい。

 第3試合は、滝川二(兵庫)と中越(新潟)の一戦。12年ぶりの出場を決めた中越は、新潟大会欠場に終わった主将の斎藤 颯(3年)の復帰が鍵となる。対する滝川二は長打と巧打を備えた左打者が揃い、中でも注目は、兵庫大会打率5割、8盗塁を決めた1番センターの根来 祥汰(3年)。根来を出塁させるか、させないかで試合の流れは大きく変わりそう。

 第4試合は、明豊(大分)と仙台育英(宮城)。仙台育英のエース佐藤 世那(3年)は宮城大会決勝戦で8回無失点と調子を上げている。気になるのは、宮城大会打率.176に終わった平沢 大河(3年)だが甲子園での活躍に期待がかかる。守備のチーム明豊は、大分大会決勝戦でも完封勝利を挙げるなど、最少失点で切り抜ける試合運びで勝機を作りたい。打線は好投手相手にも強烈な打球を打つ山中 大輝(2年)、ショートストップ・大庭 樹也(2年)に注目だ。


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[page_break:第1回大会の優勝校・鳥羽が遂に登場!/オコエ瑠偉、比屋根 雅也など注目選手が続々登場!/東海大相模は自分たちのペースで試合ができるか]

大会5日目:第1回大会の優勝校・鳥羽が遂に登場!

 大会5日目第1試合は、健大高崎(群馬)と藤井学園寒川(香川)との一戦。健大高崎は、群馬大会では20盗塁と、自慢の機動力は今年も健在。全体的に打力が高く、4番柴引 良介(3年)、5番柘植 世那(3年)の前に走者をためることができるかがポイントとなる。投手陣では、エース・川井 智也(3年)がしっかりと試合を作りたい。藤井学園寒川は、香川大会で選抜出場の英明を下した総合力の高さが光る。接戦に持ち込んで、勝ち抜くのがスタイルなだけに序盤の試合運びがカギになりそうだ。

 第2試合目に登場するのが、初出場の岡山学芸館(岡山)と第1回大会優勝校の京都鳥羽(京都)。岡山学芸館は決勝戦でも逆転勝ちしたように逆境に強く、打線に力がある。京都鳥羽は、自慢の守備力で最少失点にしのぎ、自分たちのペースに持っていきたいところだ。

 第3試合より、2回戦に突入する。龍谷(佐賀)と秋田商(秋田)の試合は、2年ぶり出場の秋田商の三振が奪えるエース・成田 翔(3年)の出来に注目。先制して、試合の主導権を握りたい。龍谷は、上位下位切れ目なく長打を打てる選手が揃う。守備も安定。序盤から畳みかけることができるか。

大会6日目:オコエ瑠偉、比屋根 雅也など注目選手が続々登場!

 大会第1試合は、鶴岡東(山形)と鳥取城北(鳥取)。鶴岡東は打たせて取る投球に長けた福谷 優弥(3年)、さらに、主将で、巧打堅守の遊撃手の安食 幹太(3年)が要となる。鳥取城北は4番布袋 翔太(3年)を中心に打力が高い選手が揃う。投手陣の層も厚く、継投策で勝ち上がっていきたい。

 第2試合に登場するのは、プロ注目のオコエ 瑠偉(3年)擁する関東一(東東京)と、富山代表の高岡商との戦い。関東一は1番を打つオコエだけではなく、足が速い選手が揃い、速攻劇で主導権を握りたい。高岡商関東一のスピードを凌ぎ、チャンスを確実にモノにしたい。

 お互い投手力がウリのチーム同士の対戦となったのは、石見智翠館(島根)と興南(沖縄)。石見智翠館は継投策で勝ち上がってきたように、この試合でも勝負所の継投がポイントになりそう。興南はエース比屋根 雅也(2年)は沖縄大会で見せた安定感ある投球を発揮したい。

 第4試合は、三沢商(青森)と花咲徳栄(埼玉)。三沢商のエースの野田 海晴(3年)は右サイドから独特の曲りをするスライダーとストレートで勝負する技巧派右腕で、強力打線・花咲徳栄を封じることができるか。花咲徳栄はここまで勝ち上がってきた粘りを甲子園でも発揮したいところ。

大会7日目:東海大相模は自分たちのペースで試合ができるか

小笠原慎之介(東海大相模)

 第1試合は、大会屈指の好カードの東海大相模聖光学院との一戦となった。
東海大相模はエース小笠原 慎之介(3年)のピッチングに注目が集まる。聖光学院のエース森久保 翔也(3年)は、強打の東海大相模を抑え、先に流れを掴みたいところ。

 遊学館(石川)、九州学院(熊本)とお互い打力があるチーム同士の対戦となった第2試合。遊学館小孫 竜二(3年)、九州学院伊勢 大夢(3年)と両エースとも力があり、接戦が予想される。失投を逃さない打撃力が問われそうだ。

 代表校最後の登場となるのは作新学院(栃木)。予選でもみせてきた安定した守備でリズムを作り、先制点を取って自分たちのペースに持ち込むことができれば、初戦突破がみえてくるだろう。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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