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【第97回神奈川大会展望】8強は横浜、桐光学園、東海大相模など甲子園常連校が集結!今年の神奈川を制するのは?

2015.07.24

 全国レベルの強豪が揃い、そして注目度も全国トップクラスの神奈川県。ついにベスト8が集結し、24日から準々決勝を迎える。ベスト8まで勝ち上がった8校の振り返りと、準々決勝の見所を紹介したい。

横浜、桐光学園、慶應義塾、横浜隼人と甲子園出場校が集結!

 ノーシードの横浜は、投打ともに能力の高い選手が揃い、総合力の高さは、県内でもトップクラスの実力を誇っていただけに、あとは、2年生右腕・藤平 尚真の復活を待つだけであった。藤平は初戦光明相模原戦で5回1安打無失点の快投を見せると、4回戦では今春準優勝相模原を完封するなど、エースにふさわしい活躍を見せている。ただ5回戦藤沢翔陵戦は6対5と苦戦。守備のミスもあっただけに、修正を測っていきたいところだ。

 対する横浜隼人5回戦横浜商にコールド勝ちしたように強力打線が持ち味。長打力のある大堀 純一や投打の要・山口 直也など一発を打てる打者が揃い、嵌ったときは大量得点を期待できるチームだが、投手陣は必至の継投でつなぐ。多少の失点を打線でカバーするチームで、準々決勝以降もそういう戦いを見せていきたいところだが、とにかく無駄な失策を減らしたいところだ。

津留崎 大成(慶應義塾)

 桐光学園は、4回戦の横須賀総合戦では9回に逆転勝利し、5回戦戸塚には13安打を打たれたが、4失点にしのぎ、9対4で準々決勝に駒を進めたように強打と試合運びのうまさは健在。3番恩地 偉仁、4番大工原 壱成を中心とした打線の破壊力はトップクラス。打線でカバーできる試合運びをしていきたい。

 上田誠監督のラストサマーを迎える慶應義塾は、打線は柳町 達が高い打撃センスを見せており、彼を中心に4試合で37得点を誇る攻撃力で勝ち上がってきた。投手陣は、津留崎 大成高橋 伶介土井 涼木澤 尚文と粒揃いで層は厚く、総合力の高さはベスト8に入ったチームの中でもトップクラスなだけに自分たちの実力を発揮したい。


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[page_break:東海大相模は平塚学園との再戦が実現。この夏も熾烈な勝負になるか]

東海大相模は平塚学園との再戦が実現。この夏も熾烈な勝負になるか

 日大藤沢は、初戦平塚湘風戦で15対3と圧勝し、この試合を合わせて3試合連続で10得点以上をあげる戦いぶりで勝ち上がった。投げては、速球派右腕・滝川 遼太がキーマン。打者では強打の捕手・下地 滉太初戦で本塁打を放った4番・西川 拓馬の2人を軸とした打線の破壊力は脅威だ。

 山手学院は、1回戦から勝ち上がってきたチーム。5回戦では強豪・湘南に5対2で勝利。エース・杉山 周平はキレのある速球、変化球をコントロール良く投げ分ける本格派右腕で、まさに鍵となる存在だ。

小笠原 慎之介(東海大相模)

 そして今春優勝で、2年連続で甲子園出場に期待がかかる東海大相模の自慢の投手陣は、今年も全国トップクラスの実力を誇ると言っていいだろう。4回戦の藤嶺藤沢戦で7回無失点の好投を見せた最速149キロ左腕・小笠原 慎之介5回戦相洋戦を3安打完封した吉田 凌、そしてこの夏、最速145キロを計測した2年生右腕・北村 朋也、速球派左腕で将来性の高さを評価されている1年生・安里 海と左右に好投手がいるのが強み。打線では1番千野 啓次郎が2本塁打を放っており好調。ただ、まだ打線の状態がピークではないのが気がかりで、準々決勝から調子を上げていけるか。

 秋季大会優勝平塚学園は、エースの高田 孝一がしっかりと調子を仕上げ、5回戦横浜創学館戦では140キロ前後の速球、切れ味鋭い変化球のコンビネーションで1安打完封。打線は、最速148キロ右腕・望月 惇志の速球にしっかりと対応しており、打線の対応力の高さは県内上位レベル。また俊足の選手が揃い、機動力で仕掛けられる。横浜創学館戦ではバントミス、走塁ミスが目立ったので、いかに小さなミスをつぶせるかが課題になりそうだ。

準々決勝の見所

 横浜vs横浜隼人横浜隼人が上手く先制攻撃を仕掛けることができれば、打ち合いの試合が予想されそうだ。横浜からすれば、守りで横浜隼人の猛打を凌いでいきたいところで、そのためには投手陣の出来が鍵になる。

 慶應義塾桐光学園はお互い打撃力が高いチーム。慶應義塾の方が投手力に分があるが、桐光学園が先手を仕掛けていけば、こちらも打ち合いになっていきそうだ。
日大藤沢vs山手学院は、日大藤沢の強打を山手学院がどれだけ凌ぐことができるかにかかっているだろう。

 昨秋準決勝以来の対決となった東海大相模平塚学園はお互い投手力が高く、昨秋同様、1点を争う好勝負が実現しそうだ。

 どの試合も接戦が予想される。神奈川の試合は1イニング1イニングが濃い内容で、試合開始から終盤まで見逃せない戦いが期待できそうだ。今年も全国レベルのチームが多数勝ち上がってきており、ハイレベルな戦いが期待できそうだ。ここから正念場を迎える神奈川を制するのはどのチームか。最後まで白熱した勝負を期待したい。

(文=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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