07、08年の駒大岩見沢以来、連続出場のない大混戦の北北海道。最近5年を振り返っても、春夏ともにすべて違う学校が甲子園切符を手にしている。今大会も春の北海道大会四強の白樺学園がややリードしているものの、どこのチームにもチャンスのある情勢は変わらない。
Aゾーン

中野 祐一郎 (白樺学園)
春の北海道大会で北北海道地区唯一のベスト4入りした白樺学園が大本命といえる。河村 説人(3年)、中野 祐一郎(3年)の両右腕は、ともに完投能力のある好投手だ。河村は192cmの長身から投げ下ろすストレートが武器。6月に行われた大阪桐蔭との招待試合では、4回からマウンドへ。全国屈指の強力打線を相手に、5イニング2安打1失点の好投をみせ、勝利に大きく貢献したことですっかり自信をつけた。
自慢の打線はもちろん健在だ。大阪桐蔭戦では左腕エース田中 誠也(3年)から3点ビハインドの3回、先頭の9番・矢尾板 大河(2年)が中前安打。これを皮切りに7安打を集中し、打者11人攻撃で6点を挙げてみせた。「憧れのチームと戦って、練習の成果を出せたことが大きな自信」と、戸出直樹監督も手応えを十分感じている。
十勝支部予選では3番に座る池田 裕介(3年)が、2試合で8打数6安打と大当たり。代表決定戦の広尾戦では、中越えに豪快な本塁打も放ってみせた。春以降、2死三塁からのシート打撃で集中力を磨き、勝負強さが増した。また、春は試合でほとんど使わなかったバントの練習にも時間を割き、得点機を逃さない野球にも力を入れてきたことで、得点力もアップした。初戦の相手は深川西。春の北海道大会でも初戦で対戦し、6-4で勝利している。
同じ十勝支部で、プロ注目の好右腕・長江 理貴(3年)を擁する帯広緑陽は、昨秋の北海道大会で東海大四をあわやのところまで追いつめた北見工と対戦する。中学時代、スピードスケート500メートルで全国優勝を果たした強靭な下半身から繰り出される長江のストレートは、昨年の段階ですでに140キロを超えている。代表決定戦でも6球団のスカウトが集結した逸材だ。
センバツの21世紀枠候補にも選ばれた北見工は、2年生エース・中川 裕元が完全復調した。冬場のウエートトレーニングで筋力アップしたが、それがかえってフォームのバランスを崩す原因となり、春先はコントロールに苦労した。ようやくここにきてフォームも安定し始めたことで、本来の投球を取り戻しつつある。
秋、春と支部予選敗退していた遠軽は、粘り強さを身に付けて北北海道大会にコマを進めてきた。初戦の相手となる稚内大谷も、2年ぶりの北北海道大会となる。
春は私学の強豪を次々となぎ倒し、旭川支部の頂点に立った旭川西。北海道大会でも札幌大谷を7回コールドで下すなど、ここ一番でみせる打線の集中力には定評がある。エース・稲田 嘉起(3年)にも安定感が増してきた。初戦は試合巧者の釧路北陽との一戦となる。
北海道の高校のコラムを一挙紹介!
(駒澤大学附属苫小牧、クラーク記念国際、東海大学付属第四)北海道のチームに、この夏にかける熱い思いを聞きました!
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