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【第97回青森大会展望】私学4強に、青森をはじめとした公立校はどこまで食い込むか!?

2015.07.04

 2011年夏から光星学院(現八戸学院光星)が3季連続で甲子園決勝を戦い、2013年夏には弘前学院聖愛が甲子園初出場した。2010年夏には12年ぶりに八戸工大一が出場しているが、その前には青森山田が青森大会を6連覇した黄金期があった。
青森は、1996年夏弘前実以降、公立勢の甲子園出場はなく、私学優勢の時代が続いている。それでも、一昨年の青森大会決勝は弘前学院聖愛弘前で、昨年の青森大会決勝は八戸学院光星対青森青森。弘前、青森青森といった公立の進学校が甲子園まであと一歩に迫った。

 今春の東北大会は、青森山田八戸学院光星が決勝を戦い、青森山田に軍配が上がった。県大会優勝は弘前学院聖愛だったが、東北大会は準々決勝で八戸学院光星と当たり、5対6で敗れた。ハイレベルな戦いを見せる青森。今年もこの3校に八戸工大一を加えた“私学4強”を中心に、甲子園切符を懸けた戦いが展開されそうだ。

再びの甲子園を狙う弘前学院聖愛と、東北制覇で黄金期再来を目指す青森山田

北畠 栞人(弘前学院聖愛)

 第1シードの弘前学院聖愛は、夏の甲子園5回の出場を誇る弘前実田名部の勝者と初戦を戦う。エース・山下 弘暉と、背番号3を付ける赤川 諒はともに140キロ超えのストレートを持つ。さらにここに力で押せる2投手に左腕・伊藤 瑠を加えた投手陣がそろう。
攻撃では、高打率を残す北畠 栞人嘉瀬 建がカギを握る。2人とも足もあり、出塁させると相手にとっては厄介だろう。4番の佐々木 志門も巧打者だ。春の県大会では、ベンチを外れた正捕手の一町田 貴喜に代わって正遊撃手ながらマスクを被ったが、夏は本職に戻って実力発揮といきたい。
2年前、創部13年目で甲子園初出場。その時、1年生ながら北畠と佐々木は甲子園を経験した。再び、甲子園への思いは強いだろう。

 春2回、夏3回の甲子園出場がある弘前工は左腕・藤田 航生に注目。130キロ校半のキレのあるストレートにカーブ、スライダー、チェンジアップと変化球も多彩だ。受ける阿保 拓真は肩の強さが光る。春の県大会では1回戦で八戸工に快勝したが、2回戦で大湊に3対5で敗れた。その大湊も同一ブロックだ。

 昨秋は県大会準々決勝で、今春は県大会決勝でそれぞれ弘前学院聖愛に敗れた青森山田。しかし、東北大会では接戦を制して勝ち進み、7年ぶりの頂点に立った。しばらく遠ざかる甲子園に向けて、弾みになっただろう。4番でエース・小野 雅登はサイドハンド右腕。ストレートのキレとスライダーで勝負できる。2年生の堀岡 隼人との2枚看板で、投手陣の心配はなさそうだ。1年春からスタメンに名を連ねる水木 海斗はクリーンナップを務めてきたが、今年からトップバッターに。攻撃の火付け役としてしっかりと役割を果たし、チームを引っ張れるか。春の東北大会で優勝した1995、20052008年はいずれも夏の甲子園出場を決めている。今回の東北制覇は吉兆か。

 弘前地区予選で接戦を勝ち上がって県大会に出場した黒石商。189センチの長身右腕・村上 竜斗のストレートは140キロに迫る。緩急を上手く使い、春の県大会初戦では八戸学院光星に0対3と善戦した。得点力をアップさせて夏を迎えられるかがポイントになりそうだ。

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第97回全国高等学校野球選手権大会
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2季連続甲子園を目指す八戸学院光星と、私学への対抗馬筆頭・青森

中川 優(八戸学院光星)

 八戸学院光星は昨秋、3年ぶりに県大会で優勝したが、今春の県大会では準決勝で青森山田に3対6で敗れた。3位決定戦で青森青森に10対0と完勝して進んだ東北大会では、決勝でまたもや青森山田と対決。またも、6対8と僅差で涙となった。昨秋は東北大会4強入り。仙台育英明治神宮大会優勝でもたらされた枠でセンバツ大会に進み、大舞台を経験できたことはアドバンテージだろう。
エース・中川 優を中心に、最速145キロ右腕・八木 彬、左腕・呉屋 開斗と経験豊富な投手陣は心強い。攻撃陣はセンバツ大会以降、競争が激しくなっている。実力を伸ばしてベンチ入りや試合出場を勝ち取った選手が多い。

 昨秋の3位で、能力の高い選手がそろう八戸工大一八戸学院光星のブロックに入ってきた。エース・内沢 航大は身長195センチのプロ注目右腕。昨秋、78キロだった体重は一冬で90キロに増え、球速がアップした。とはいえ、まだまだ成長段階の未完の大器、といった感じだ。受ける3番の円子 湧士、185センチ、90キロの2年生4番・石戸谷 黛政はパンチ力がある。
八戸学院光星の3投手に八戸工大一の内沢、浪岡鎌田 大雅弘前東葛西 洋人と好投手がそろうブロックを抜け出すのはどこか。

 昨夏八戸工大一青森山田を撃破して青森大会決勝に進んだ青森青森。昨秋は青森地区予選敗退で県大会出場を逃したが、一冬越えたこのは4位と躍進した。神 太喜飯田 寛士中村 港昨夏を戦ったメンバーを中心に第4シードで挑む。
この青森青森のブロックではフレッシュな顔合わせがある。青森明の星名久井農だ。名久井農は昨年、軟式から硬式に移行したばかり。昨夏初めての夏だったが、部員10人で初勝利を挙げた。青森明の星は今年、女子校から男女共学となり、男子生徒が入学。それに伴い、野球部が創部された。選手は1年生9人のみ。練習場、道具などゼロからスタートしたチームが初めての夏を迎える。

(文=高橋 昌江

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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