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【第97回愛知大会展望】名門校、新鋭校、強豪公立がバランス良く散らばり、今年も最激戦区!

2015.06.30

 愛知大会の組み合わせが決まった。参加校は全国2番目の激戦地区だが、春季県大会中部大一至学館というフレッシュな決勝となり中部大一が初優勝した。春季県大会の準々決勝に残った8校のみがシードなので、ノーシードで登場する有力校も多くなっていて例によって混戦が予想される。

愛工大名電、享栄、中京大中京、東邦の愛知私学4強の状況

藤嶋健人(東邦)

 全体的には、有力校がバランスよく散らばったといっていいのではないだろうか。県大会の結果もさることながら、地力があるのは中京大中京愛工大名電東邦の常連校だ。中京大中京は4番伊藤 寛士の打棒が冴え、エースの上野 翔太郎が安定している。これに、左腕の長谷部 銀次(2年)も、ここへ来てさらに調子を上げている。

 その中京大中京のゾーンには、今春21世紀枠代表で甲子園出場を果たしたエース森 奎真のいる豊橋工がおり、5回戦で当たるようだと、この勝者がポイントとなりそうだ。もっとも、その前に昨夏準優勝で旋風を巻き起こした栄徳も待ち構える。また、豊橋工も林 泰盛監督の母校・時習館と当るようだとこれも話題となりそうだ。

 愛工大名電は比較的恵まれたクジといえるかもしれない。左腕福本 裕亮に右の櫻木 健次郎など投手陣が豊富で、1番毛利 元哉をはじめ選手個々の能力は最も高いと言われているだけに、余裕の戦いができそう。愛知愛知や成章などがその前に立ちはだかれるか。

 ノーシードの東邦は、渥美農のゾーンに入ったが、昨夏の原動力となった藤嶋 健人(2年)の活躍次第で連続出場もある。小柄ながらパンチ力のある溝口 慶周の打撃も見どころである。渥美農全三河大会でも準優勝するなど安定した戦いを示している。このゾーンには愛知啓成や愛知桜丘、豊田西で実績のある平林 宏監督が今春から就任した星城や、近年躍進著しい愛知黎明昨春の4強で注目された岩津もいて、激戦ゾーンとなった。享栄と愛知春日丘は序盤の好カードだ。

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愛知はベスト8が出揃ってからが最後のヤマ場

吐前 槙哉 (至学館)

 エースの長島 彰と4番長島 啓太の双子の活躍で春の県大会優勝校の中部大一刈谷大府といった有力公立勢のいるゾーンとなった。初戦で刈谷とぶつかる名経大高蔵は元プロの酒井 弘樹監督が率いる面白い存在だ。
準優勝の至学館は4回戦で昨春のセンバツベスト4(試合レポート)の豊川と当りそうだが、春に躍進した武田 康平吐前 槙哉も復調の兆しで豊富な投手陣と持ち味の伸び伸び野球で4年ぶりの出場を狙える力はある。麻王 義之監督の、「何をしてくるかわからないぞ」と思わせる仕掛けも相手にとっては脅威だ。

 小柄ながら歯切れのいい投球で左腕独特のカーブも鋭い内田 大貴昨秋初優勝を果たしているもノーシードだが、豊田西のゾーンに入った。毎年夏に強い豊田西との5回戦での対決が予想される。

 愛知産大三河全三河大会を制した西尾東と4回戦で当たりそう。サイズはそれほど大きくはないが、平松 卓磨は安定した投球を組み立てられる投手だ。同系列の愛知産大工は4回戦で天白、さらには菊華碧南あたりと当りそうだが、新城東作手あたりも面白い存在になりそうだ。

 いずれにしても、ベスト8が出揃った段階で再抽選の愛知大会は、ここからもう一度仕切り直しとなる。ここまでの流れをどう生かしていくのかということも大切になってくるが、クジによってはここで事実上の優勝戦というケースもよくある。しかも、今年は人工芝のパロマ瑞穂球場([stadium]名古屋市瑞穂公園野球場[/stadium])がメイン舞台となるが、このあたりもどういう影響をもたらすことになるのか興味深いところである。

(文=手束 仁

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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