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【第97回栃木大会展望】5連覇を狙う作新学院をストップできる学校は?激戦の栃木大会

2015.06.27

 栃木県の展望を語る上でやはり外せないのは作新学院。今、作新学院は黄金期に入っている。2011年夏から2014年夏まで4年連続の夏の甲子園出場。この夏も5連覇を狙っているが、今年の栃木は私立、公立問わず有力校が多く、各校がそれだけは阻止したいという思いで臨んでいる。作新学院の行く手を阻むのはどの学校なのかを見ていきたい。

作新学院、幸福の科学、矢板中央、文星芸大附、佐野日大が集う最激戦区ブロック!

朝山 広憲(作新学院)

 優勝候補筆頭はもちろん県史上初の5連覇を目指す作新学院昨秋は4強、この春は関東大会ベスト8(試合レポート)と、今年のチームも実績を残している。伝統の強打は今年も健在。1年時から活躍を見せる好打者で、フットワークの良い守備を見せる添田 真海、一発を打てる長打力を持つ朝山広憲、広角に鋭い打球を打てる赤木 陸哉、さらに勝負強さが光る森田 大我関東大会で2試合連続本塁打を放った小林 虎太郎に注目。
守備面では主将で二塁手の吉沢 優真が堅実な守備でチームを引っ張る。
投手では186cmの長身右腕・倉井 勇輔を中心に朝山 広憲・左腕の宮下 力也らの出来と継投のタイミングがカギとなりそうだ。

 これほど総合力が高いのは、各大会、練習試合でも打順の入れ替えや先発投手の変更が多く、激しい競争力の下、チーム力を高めているから。実質、絶対的な4番打者、エースがいないともいえるが、5連覇を狙うには十分な戦力が揃っている。
初戦の相手は幸福の科学学園。エース・右田 翔大、投打で高いセンスを示す2年生ショートストップ・早川 賢汰と楽しみな選手が揃う。またメンバーは1、2年生が揃うが、これは学校側が、部活は2年生までで3年生は受験生として学業に専念してほしいとすることがあるようだ。実際に東大をはじめとした国公立、早慶などの難関校に合格者を出している進学校だが、なかなかない取り組みである。
しかしこれは強制ではなく、右田のように3年生でもプレーができる。それだけに「野球を選んだ」3年生としては意地をかけて倒したい相手と初戦でぶつかることとなった。

 また同じくシードの矢板中央昨春の関東大会出場の原動力となった本格派右腕・小林 晃也がカギを握る。その初戦の相手は、強豪・文星芸大附。打撃力は高く、各強豪校が警戒するほど。その中心打者は強打の二塁手・ラミレス・レンソ。対戦した監督、投手はことごとくラミレスの打撃を絶賛しており、まさに要注意打者である。また2年生左腕・佐藤 良亮はボールのキレ、変化球の精度、コントロールともにハイレベルで、簡単には打ち崩せないだろう。

 さらに準優勝の佐野日大も同ブロック。佐野日大は、個人の能力の高さでいえば、トップクラス。左腕・小林 快、140km/hを超える左腕・永沢 楽など好投手が揃い、打線も、好打堅守の竹村 律生、超俊足の五十幡 亮汰など足がある選手が多いのが特徴。あとはいかに打線が底上げできるかであろう。

■栃木県のコラムを一挙紹介!
【野球部訪問】佐野日本大学高等学校(2014年03月22日公開)
【野球部訪問】作新学院高等学校(2013年01月24日公開)
【野球部訪問】県立宇都宮北高等学校(2011年12月27日公開)
■栃木県のチームに、この夏にかける熱い思いを聞きました!
【僕らの熱い夏】県立小山北桜高等学校(2015年06月21日公開)

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第97回全国高等学校野球選手権大会
僕らの熱い夏 2015
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!
[page_break:白鴎大足利・栃木ブロックはポテンシャルが高い選手が集う]

白鴎大足利・栃木ブロックはポテンシャルが高い選手が集う

大下 誠一郎(白鴎大足利)

 白鴎大足利は、昨年の選抜で個人1試合4二塁打を記録したスラッガーで大下 誠一郎。投げても最速145km/hを計測するなど投打両面でチームを引っ張る。140km/h近い速球を投げ込む水野 敦之も注目だ。初戦は鹿沼東と対戦する。
また今春ベスト4の栃木は181cmの大型左腕・津村 洋宙が注目だ。その初戦は春季大会でも対戦した栃木工と対戦。栃木工は183㎝89kgの一塁手・大橋 惇生など体格が良い選手が揃い、強打で勝負。また好打の遊撃手・君嶋 祐治がチームを引っ張る伝統校・宇都宮商も見逃せない存在だ。

総合力が高い國學院栃木は作新学院を対抗するには十分な戦力

 準優勝の國學院栃木も優勝候補として期待がかかる。左腕・大垣 塁は、130km/h前後の速球、キレのあるスライダーを低めに集める投手。右サイドの渡邊 峻平は140km/h前後の速球を投げ込むが、やや不安定な投球が目立った。一発を打てる長打力が魅力だが、やはり投手として活躍してほしい逸材。

野手ではスラッガー・横倉 隆生を中心とした打線の破壊力は必見だ。率いるのは作新学院の小針 崇弘監督と同じ筑波大出身で、1学年上の柄目 直人監督。選手時代は俊足巧打の選手であった柄目監督は、得意分野を生かし、機動力を軸に投打にバランスの取れた試合運びを見せている。小針監督の先輩ということもあり、柄目監督は地元からも「ストップ・ザ・作新」として期待がかけられている。初戦は矢板と対戦する。
また、好投手・山田 祐輔擁する宇都宮工今春8強の足利工大附は伝統校・大田原と対戦する好カードとなった。

パワフルな青藍泰斗も脅威

 この佐野日大を破り、4強入りした青藍泰斗は強打者・大塚 浩史、140km/hを超える速球を武器にする2年生右腕・板垣 理音などポテンシャルが高い選手が揃う。初戦は鹿沼南と対戦する。2季連続ベスト8の足利は、本格派右腕・根本 貴啓がチームを引っ張る。初戦は、那須拓陽日光明峰の勝者と対戦する。
また昨秋優勝の宇都宮南は、公立でも投打のバランスが優れたチーム。県中体連の優勝(明治中学)メンバーが多く入学し、最上級生となって関東大会出場を果たすなど、レベルが高いチーム。ノーシードからのスタートで初戦は佐野と対戦するが、見逃せないチームに入りそうだ。

 大会は7月11日に開幕。開会式は[stadium]栃木県営球場[/stadium]で行われ、開幕カードは栃木農佐野松桜となった。作新学院がそのまま突っ走るか、それとも対抗馬となる國學院栃木佐野日大といった強豪校が行く手を阻めるのか。非常に熱い大会が予想されそうだ。

 

(文=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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