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【第97回茨城大会展望】選抜ベスト8の常総学院を軸に激戦が予想される茨城を制するのは?

2015.06.26

 常総学院、明秀学園日立、藤代などの有力校がひしめきあう茨城県。
今年の茨城大会は7月4日に[stadium]水戸市民球場[/stadium]で開幕する。開会式では大洗高校マーチングバンド部「BLUE-HAWKS」の演奏のもと、ベンチ入りを果たせなかった3年生部員も登録メンバーと一緒に入場行進を行う。
茨城県のシードの決め方は、秋季大会春季大会などの成績を加算したポイント制である。昨年から、シード校は10校になったが、第10シードのポイントが並んだため、今年のシード校は11校となった。シード順位は以下のとおり。

1 常総学院

2 明秀学園日立

3 石岡一

4 守谷

5 水城

6 つくば国際大高

7 土浦湖北

8 多賀

9 鹿島

10 藤代

11 霞ヶ浦

 それでは各ブロックごとに有力校、選手を紹介したい。

【Aブロック】常総学院ブロックにダークホース取手松陽が入る

鈴木 昭汰(常総学院)

 春のセンバツで8強入り(試合レポート)を果たした第1シード・常総学院が優勝候補の筆頭。
エース左腕・鈴木 昭汰(2年)は最速140キロ超のストレートとキレ味鋭いスライダーが武器。2番手格の右腕・菅原 一泰はツーシームの低めへの制球力が抜群だ。打線は18U日本代表候補の宇草 孔基和田 慎吾1年夏の甲子園を経験した荒原 祐貴石井 大貴、俊足・堅守の常総学院竹内 諒今春の県大会で1年生ながらチームトップの打率をマークした陶山 勇軌などタレントが揃う。

 開幕試合は太田一vs日立北という県北地区同士のカードとなった。
注目カード、水戸桜ノ牧vs取手松陽は12年前の第85回大会の開幕試合で死闘を演じて以来の対戦(6対5で水戸桜ノ牧の勝利)。取手松陽は長身右腕・内村 悠斗が最速142キロを誇る。昨夏打率.762と大ブレイクした川村 文耶、パンチ力のある宇尾野 広大高須 樹(2年)と並ぶ分厚い強力打線は迫力がある。
東洋大牛久と地区予選の初戦で敗退しているが、有馬 海人(2年)や濱野 正吾といった投手陣の潜在能力は高い。勝ち上がるには打線の奮起が鍵になる。近年力を付けている小瀬の戦いぶりにも注目だ。

 春季県大会で8強入りした多賀鹿島がシード権を獲得。このゾーンは力の差がなく混戦が予想される。
多賀は軟投派の安島 大貴(2年)とストレートで押す池ヶ谷 拓実(2年)の右腕二枚で試合を作る。
鹿島はこちらも軟投派の根木 龍斗(2年)がサークルチェンジで打たせて取り、バックの堅守で盛りたてる。中軸を担う細田 義眞らが少ないチャンスをものにする。

 日立商の右腕・吉久保 敦紀はスリークウォーターから小さく曲がるスライダーを駆使してバットの芯を外す。取手一は身体が大きな選手が多く打力が高い。特に島崎 大介のパワフルな打撃は魅力だ。
総和工は右腕・上原 翔と右サイド・小野里 裕太のどちらも力強いストレートを放る。佐和の左腕・根本 零央も好投手。常磐大高は長年水戸桜ノ牧を率いた海老澤 芳雄氏が今春から監督に就任した。準備期間は短いが夏の仕上がりが楽しみだ。

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第97回全国高等学校野球選手権大会
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[page_break:【Bブロック】シードだけではなく、ノーシードの強豪校も集結する激戦区!/【Cブロック】守谷ブロックには、水戸商、水城などの有力校が揃う]

【Bブロック】シードだけではなく、ノーシードの強豪校も集結する激戦区!

大友 喬太(明秀学園日立)

 ノーシードの実力校が集まる一番の激戦ブロックになった。秋季大会春季大会の両方とも準優勝の明秀学園日立が第2シード。投手陣は大型右腕・大友 喬太、右サイドの津山 裕希、右腕・孫大 怜也の3人で一年間しのぎを削って成長してきた。
春季県大会関東大会ともに四死球から失点する場面が目立ったが、この点を修正できるかが上位進出の鍵となる。打線は関 俊輔永濱 晃汰有住 隆哉ら左の俊足打者が牽引する。

 茨城キリスト字原 由捺井坂 壮志(2年)や水戸一和田 佳樹、和田 智樹ツインズは思い切りの良いスイングが魅力。水戸一の右腕・市村 悠大(2年)は伸びのあるストレートが武器だ。
鹿島学園は台湾人留学生・楊 笑虎(1年)がから4番に座り結果を残している。

 第7シード・土浦湖北は1年からエースの左腕・大関 友久が角度を生かした投球で交わす。課題であるスタミナの克服が上位進出の絶対条件だ。その意味でも中軸を務めるストッパー・関口 海渡や左腕・吉田 託夢(2年)に期待がかる。

 第10シード・藤代立松 由宇立松 峻ツインズ(2年)や飯塚 幸大など長距離砲が揃う。長身右腕・山﨑 誠は130キロ中盤のストレートとスライダー、フォークを駆使する。
竜ヶ崎一vs水戸葵陵は1回戦屈指のカード。水戸葵陵の右腕・海野 貴嗣(2年)は最速140キロのストレートを持つ。斎藤 匡治は昨夏サイクル安打を記録した。下妻二中川 光輝は通算本塁打20本を超える長距離砲。加園 叶の外野守備は一見の価値があるのでシートノックから注目したい。

 古河三の長身左腕・川邊 将範はストレートに力があり、打っては4番。水戸一と対戦する牛久池田 彪人は打力の高い捕手として期待がかかる。
鉾田一磯原郷英にも好選手が揃う。

【Cブロック】守谷ブロックには、水戸商、水城などの有力校が揃う

 春季県大会霞ヶ浦つくば国際大高などの実力校を撃破して4強入りを果たした守谷が第4シード。
右腕・中塚 智(2年)は最速135キロ。曲がりの大きな横方向のスライダーで簡単にカウントを稼ぐ。寺嶋 一也はバットコントロールが巧みで高打率を残す。チームカラーとしては、どんどん小技を使ってかき回してくる。

 日立一vs科技日立は県北ファン垂涎の好カードで、両校のハイレベルな応援も見どころだ。
水戸商の左腕・勝村 祐哉は巧みな投球術が光る。西連地 悠貴森島 翔太郎物井 優(2年)には1発があり相手チームは警戒が必要だ。左腕・木川 尚紀を擁する玉造工波崎柳川も力がある。

 第5シード・水城小林 奨吾大和田 蓮の右腕二枚はともに140キロ近いストレートとスライダーが武器。打線は根本 拓真(2年)、前島 健志郎(2年)、白瀬 勇樹などスプレーヒッターの好打者が居並ぶ。
に8強入りした江戸崎総合試合レポート)や、身長190センチのエース・古川 圭介(2年)を擁する東海も上位進出を狙う。

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【Dブロック:140キロを超える速球を投げ込む好投手がずらり!】

木村 玲央 (石岡一)

 Bブロックに負けない実力校揃いのブロックとなった。
と4強入りを果たした石岡一が第3シードを獲得。
左腕・木村 玲央は制球力が抜群。追い込んだらスクリューボールで三振が狙える。2番秋手格の右腕・高崎 大幹(2年)と石田 稜(2年)ともに完投能力がある。打線は勝負強い飯泉 拓郎や長打力のある本多 啓直岩本 泰樹と並び厚みがある。

 つくば秀英長井 良太(2年)は最速145キロを計測する剛腕。野澤 佑斗も右サイドから最速140キロを誇る。打線は柵越えを狙える金井 洸樹を筆頭に強打者が揃う。
土浦日大中條 航汰はコースに逆らわず広角に打ち分ける。緑岡柏 敦士はスイングの鋭い強打者だ。伊奈は三拍子揃った好選手・海老原 朝陽(2年)が注目。
下妻一上野 真聖(2年)、清水 翔(2年)の右サイド二枚を擁し、上位進出を狙う。

また日立工水戸啓明にも力のある選手が揃う。

 第6シード・つくば国際大高の右腕・福田 海人は最速144キロを誇る。水戸商戦では本塁打を放つなど打っては中軸を務める。福田以外にも好選手が揃い、2番手格の右腕・本山 隼はストレートの最速が130キロ中盤。6月のローカル大会では土浦湖北から2安打1失点で完投勝利した。打線には捕手で4番の飯島 省汰佐々木 優作など、しぶとい打者が上位に並ぶ。

 第11シード・霞ヶ浦は大会屈指の長身右腕・綾部 翔を擁する。ストレートは最速145キロを計測し、プロのスカウトも注目する逸材だが、エースにふさわしい快投を期待したい。また、2番手格の根本 将汰(2年)はブレーキの効いたカーブを操り、夏へ向けて仕上げていきたい。
打線は佐藤 拓海清水 達希が牽引。そして1年春から出場を続けたショート・小川 翔平(2年)は高校生離れした華麗な守備で投手陣を盛り立てる。

 水戸工生田目 忍は小柄ながらパンチ力がある。藤代紫水の右腕・本城 慎也は威力あるストレートを投じる注目右腕。水海道二の長身右腕・吉原 陸はローカル大会で藤代に競り勝つなど見逃せない存在だ。
明野vs麻生はエースがともに140キロを超える速球を投げ込み、とても楽しみな一戦が実現しそうだ。明野の最速142キロ右腕・大木 魁人は春からのケガが懸念材料だが、夏までの復調を期待したい。麻生のエース右腕・今井 優太も最速140キロを誇る逸材。また、水海道一の4番・水海道一渡辺 大雅は豪快な打撃が持ち味だ。

 

(文=伊達 康

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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