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【第97回愛媛大会展望・前編】センバツ組対抗は「死のブロック」を突破組? それとも松山聖陵ブロック勝者か?

2015.06.25

 6月21日(日)愛媛県松山市の「にぎたつ会館」で組み合わせ抽選会がおこなわれた「第97回全国高等学校野球選手権愛媛大会」。一昨年優勝(試合レポート)の済美が対外試合出場停止期間中のため昨年から1校減の58校によって争われる激戦の展望と「高校野球ドットコム」ならではの他にはない直前情報を、シード校のブロック別に追っていきたい。前編では、今治西ブロックと松山聖陵ブロックを紹介する。

【第1シード・今治西ブロック】
軸はやはり今治西 対抗・今治北は3度目の正直なるか?

藤原 睦来(今治西)

 東予地区新人戦優勝にはじまり、昨秋は県大会優勝四国大会準優勝(試合レポート)。春もセンバツ1勝(試合レポート)に続き、松山東との代表決定戦(試合レポート)を制して進んだ四国大会でもベスト4(試合レポート)。「夏はなんとしても勝ち上がって甲子園に行こうと思っている」と3年ぶりの愛媛大会優勝へ闘志を燃やす大野 康哉監督の下、着実な戦いで2年連続第1シードを確保した今治西がやはり中心だろう。

 大田 泰示(読売ジャイアンツ)のようなスケール感を感じるバッティングに加え、センバツ後からは2年ぶり復帰した投手との「二刀流」も視野に入れる4番・藤原 睦来(3年・右投右打・183センチ79キロ・中堅手・今治市立大三島中出身)、センバツ後に取り組むサイドハンドも板につきつつあるリードオフマン・杉内 洸貴(173センチ65キロ・右投右打・今治市立立花中出身・BFA15Uアジア選手権日本代表)。最後の夏にエースナンバーを手にした秋川 優史(180センチ70キロ・右投右打・西条市立東予東中出身)の右腕3枚に加え、金本 遼(右投右打・176センチ67キロ・今治市立北郷中出身・第9回15U全国Kボール秋季大会愛媛県選抜メンバー)らの1年生右腕も台頭している。

 新チーム発足時には随所に経験不足が散見された今治西だが、いまや愛媛県でもナンバーワンの選手層と経験値を手に。百戦錬磨の指揮官が選択肢の多さをいかに交通整理できるかが、夏のカギとなりそうだ。

 が、このブロックには大野監督も常々「やりづらい」と語る今治市内のライバル・今治北も同居している。昨秋県大会1回戦では延長13回2対1サヨナラ(試合レポート)、今年4月・[stadium]今治市営球場[/stadium]改修工事完成記念として開催された今治市・越智郡高校親善野球交歓試合では7回コールド8対1でいずれも今治西が勝利しているものの、チェンジアップが武器の山本 颯輝(177センチ63キロ・右投右打・今治市立南中出身)、サイドハンドからのシンカー系上谷 和大(176センチ61キロ・今治市立日吉中出身)の2年生右腕2枚がそろう最後の夏にもし対戦があれば、「3度目の正直」は十分考えられる。

 その他にも、八幡浜センバツ経験を持つ宮崎 修一監督率いる愛媛三島や、昨夏29年ぶりベスト8で古豪復活を印象付けた新居浜商。さらに春季県大会8強今治東や、好投手・竹田 朋生(3年・179センチ72キロ・右投左打・愛媛県立松山西中等教育学校前期生出身)が主将の松山西といった中等教育学校勢も注目チームである。

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[page_break:【第4シード・松山聖陵ゾーン】混戦模様のブロック、抜け出すのはどこか?]

【第4シード・松山聖陵ゾーン】混戦模様のブロック、抜け出すのはどこか?

日野 凌太(松山聖陵)

 「個性値」の高いチームが集結。昨秋県大会3位四国大会でも1勝をあげた実力派第4シードも厳しい戦いを強いられそうだ。

 松山聖陵日野 凌太(3年・169センチ62キロ・右投左打・松山市立桑原中出身)、アドゥワ 誠(2年・195センチ80キロ・右投右打・熊本中央リトルシニア<熊本>出身)の最速136キロ2枚看板と、照屋 雄大(3年主将・右翼手・173センチ77キロ・右投左打・那覇市立城北中出身<沖縄>)をリードオフマンとする強打線にスポットが当たりがちであるが、昨秋山本 将吾(3年・右投右打・171センチ71キロ・今治市立西中出身)の好リードも躍進の原動力であった。最後の夏、彼が扇の要からチームをどのようにコントロールできるかが、甲子園初出場へのカギだろう。

 このブロックには高校通算33本塁打(6月23日時点)・四国ナンバーワンスラッガーの田中 力(3年主将・184センチ100キロ・右投右打・西予市立野村中出身)をはじめ、強打線に定評がある野村も控える。

 初戦の相手は背番号「7」ながら、130キロ台中盤のスピードボールを備える成松 昌彦(3年・右投右打・今治市立菊間中出身)など、個々の能力が高い難敵・松山工であるが、18歳の誕生日に大会選手宣誓を引き当てた「持ってる男」である田中が爆発すれば、春季県大会ベスト4の上も十二分に狙えるはずだ。

 加えて昨秋松山東今春宇和島東とそれぞれ県大会準優勝校に接戦を演じている松山北は選手層の厚さで勝負。南予地区では新人大会1年生大会優勝と頭1つ抜けた力を発揮し、4番の竹内 晃雅(三塁手・3年・右投左打・177センチ80キロ・大洲市立南中出身)はじめ、冬場の体重増加策がパワーとなって身になりつつある大洲が、昨秋県大会準々決勝で敗れた松山聖陵へのリベンジを誓う。宮本 昇二監督が4月から指揮を振るう八幡浜の大型バッテリー、松本 一輝(3年・投手・181センチ76キロ・右投右打・八幡浜市立青石中出身)・宮内 拓人(3年・右投右打・181センチ85キロ・八幡浜市立保内中出身)の成長具合などにも注目したい。

(文=寺下 友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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