Column

2015年 春季東京都高等学校野球大会 本大会展望 「シード入りを狙う注目チーム、注目選手を一挙紹介!」

2015.03.31

  近年、中堅校の躍進により勢力図が変わりつつある東京都。全96校が出場する本大会は、見所ある大会になりそうだ。そんな今年の春季東京都大会の各ブロックの注目チーム、注目選手を紹介!強豪校に偏らず、多くの学校を紹介。この学校には、こんな選手がいるのか!と新たな発見があるだろう。

東海大菅生・都立篠崎ブロック

勝俣 翔貴(東海大菅生)

 選抜帰りの東海大菅生ブロックでは、都立城東都立永山と実力校がいきなり対戦する好カード。都立城東は本格派・佐藤 諒を中心に守り勝つ野球、都立永山も昨年から130キロ台の速球を投げ込んでいた中田 勇太がカギを握る。聖徳学園は、速球派左腕・長谷川 宙輝が投打で引っ張る存在で、活躍次第では一気に浮上しそうだ。

 ブロック予選で明大中野八王子とタイブレークの末、本大会へ駒を進めたは都立の強豪・都立文京と対戦。また明大明治清水 祐希の成長に注目が集まる。

 都立篠崎ブロックでは、試合運びが上手い都立小平、大技と小技を兼ね備えた世田谷学園が対戦。都立篠崎は昨年より攻守両面で成長を見せているか。

 また同ブロックでは都立江戸川桐朋といった中堅校も存在し、なかなか激しいブロックとなっている。さらに好投手・日体荏原鈴木 健介擁する日体荏原、都立の実力校・都立千歳丘が初戦で激突。また同ブロックでは、キレのあるスライダーを武器にする佐藤 康貴を擁する上野学園も注目だ。

帝京・法政大高ブロック

 帝京は、稲毛田 渉伊藤 靖晃の好投手を2人揃え、打線では中道 大波、好捕手・小峰 聡志と好打者を揃える。また、130キロ後半の速球を投げ込む植田雄大や、リーダーシップがあり強肩の正捕手・了海 航が注目の国学院久我山が同ブロックで、こちらも見応えのあるブロック。

 また国士舘は昨年から主力で長打力のある中尾 将がチームを引っ張る。国士舘と同ブロックなのが、ブロック予選から勝ち上がってきた修徳、135キロ級の速球を投げ込む渕上 佳輝擁する堀越などで、こちらも面白い。

 ベスト4の法政大高は、135キロ前後の速球を投げ込むエース・小松 陽真がどこまでレベルアップを遂げているのか。同ブロック、最速139キロ右腕・小玉 和樹擁する佼成学園には秋からの守備面の向上を期待したい。

 八王子は、守備力が高く、つなぎのある打撃が持ち味。エースの横森 拓也は左腕から投げ込むキレのある速球が持ち味。さらに速球のキレ、コントロール、変化球の精度が秋に比べレベルアップしているか。八王子の同ブロックには、西東京の都立の強豪・都立昭和と、守備力が高いセンター・大久保 健汰、球速表示以上の速球を投げ込む江田 淳之介など能力が高い選手がそろう駒場学園が初戦で激突。

 さらには昨夏西東京代表の日大鶴ヶ丘は、いきなり東亜学園と対戦する好カードとなった。日大鶴ヶ丘は4番捕手の西田 賢太を中心に、投打ともに秋よりも成長を果たした。東亜学園は、昨秋、法政大高に7対8と1点差の競り合いを演じる(試合レポート)など、チーム力は高い。その同ブロックには強肩且つリードが上手い吉田 龍平がいる都立小山台と、最も激しいブロックといっても過言ではない。

今回のコラムに登場した学校の野球部訪問は以下から!
東海大学菅生高等学校【前編】(2015年02月24日公開)
東海大学菅生高等学校【後編】(2015年02月25日公開)
帝京高等学校(2012年12月21日公開)
国士舘高等学校(2011年06月30日公開)

2015年度 春季高校野球大会 特設ページ
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

このページのトップへ

[page_break:関東一・早稲田実業ブロック / 都立雪谷・二松学舎大附ブロック]

関東一・早稲田実業ブロック

オコエ 瑠偉(関東一)

 関東一のブロックにも好チームが多数存在する。関東一は、主力のオコエ 瑠偉が、オープン戦から好調。ラストシーズンをかけてさらにレベルアップを遂げている。さらに投手陣ではエース阿部 武士、伸びのある速球が光る田邊 簾、野手では走攻守ともに高い能力を示す伊藤 雅人などの野手のレベルも高い。

 同ブロックには、135キロ右腕・吉村 貢司郎擁する日大豊山、強打の都立日野がいきなり激突する好カードとなった。大森学園は、キレのある速球を武器にする左腕・半田 隆人を中心に守り勝つ野球を展開。打線では俊足系外野手・新城 憲和がチャンスメイク。外野の間を抜く長打力に加え、抜ければあっという間に三塁に到達する俊足が発揮されると、相手チームからすれば脅威になるだろう。

 早大学院は、嵯峨 悠希柴田 迅の右腕2枚を揃え上位進出を狙う。また同ブロックの都立高島は、球威ある直球が光る保田 凌馬が一冬越えてどれだけストレートに磨きがかかっているか。また総合力が高い右腕・坂本 匠、潜在能力の高さが光る巽 大介の2枚看板が注目の岩倉も注目だ。

 早稲田実業は主砲・加藤 雅樹を中心とした破壊力が都内トップクラス。また中学時代から名をはせてきた清宮 幸太郎も現段階でのデビューは未定だが、もし登録したとなれば、そのデビュー戦は大きく注目されることだろう。同ブロックには135キロ右腕・藤原 優擁する立教池袋、試合運びが上手い安田学園も揃い、なかなか激しい構図となっている。

都立雪谷・二松学舎大附ブロック

 都立雪谷は、好投手・菅家 優之介の潜在能力が高いだけに、投手として一本立ちすると、さらに注目が集まりそうだ。

 聖パウロ学園は制球力が高い町田 智輝に注目・また日大三は、投手としては最速146キロ右腕、野手としても走攻守三拍子揃った田村 孝之介がチームを引っ張る。同ブロックには日大二が登場。最速136キロ右腕・村田 匠が力投を見せる。部員11人ながらベスト16入りした都立大島は、個々の能力の上積みができているか。

 二松学舎大附ブロックも、好チームが多い。打線がウリの都立紅葉川、最速140キロ右腕・平井 成幸が注目の都立総合工科が面白い。

 また八王子実践は、135キロ級の速球を投げ込む栗田 海人、同ブロックには、好投手・矢ヶ崎 光擁する都立片倉がいきなりチーム力のある東海大高輪台と激突する好カード。さらには躍動感あるフォームから勢いある直球、カーブを武器にする谷井 怜央、強肩捕手・伊藤 駿のバッテリーが注目の創価とブロック予選から勝ち上がった強豪が多く登場し、なかなか気が抜けないブロックとなっている。

 今年は強豪校だけではなく、都立、私立の中堅校にも好選手が存在し、会場選びを迷わせる大会になりそう。ぜひ夏のシード入りを狙う球児たちの熱い戦いぶりを注目してほしい。

(文・河嶋 宗一

今回のコラムに登場した学校の野球部訪問は以下から!

都立小山台高等学校(2014年02月17日公開)
芝高等学校(2014年04月12日公開)
関東第一高等学校(2014年03月23日公開)
関東第一高等学校(2012年07月04日公開)
都立高島高等学校(2013年01月07日公開)
都立大島高等学校(2013年07月11日公開)
都立日野高等学校(2013年08月28日公開)
早稲田大学系属早稲田実業学校高等部(2012年07月01日公開)
都立総合工科高等学校(2012年11月13日公開)
日本大学第三高等学校(2011年01月02日公開)
大森学園高等学校(2011年05月05日公開)
二松学舎大学附属高等学校(2011年09月12日公開)

2015年度 春季高校野球大会 特設ページ
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.22

【埼玉】花咲徳栄は伊奈学園と、昌平は正智深谷と初戦で対戦<春季県大会組み合わせ>

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】日本福祉大附が4点差をはね返して中部大一に逆転勝ち、ベスト8に進出

2024.04.22

【仙台六大学】東北高で4番を打った1年生・佐藤玲磨が決めた!東北工業大が“サヨナラ返し”

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.21

【神奈川春季大会】慶応義塾が快勝でベスト8入り! 敗れた川崎総合科学も創部初シード権獲得で実りのある春に

2024.04.22

【埼玉】花咲徳栄は伊奈学園と、昌平は正智深谷と初戦で対戦<春季県大会組み合わせ>

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.17

【兵庫】20日にセンバツ準優勝の報徳学園が春初戦!夏の第1シード、第2シードも出揃う予定!

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!