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21世紀枠 各地区候補 紹介!豊橋工業(愛知)

2014.12.20

21世紀枠 各地区候補 紹介!豊橋工業(愛知)

21世紀枠 各地区候補 紹介!豊橋工業(愛知) | 高校野球ドットコム
豊橋工業ナイン

 第87回選抜高校野球大会の21世紀枠の各地区候補9校が発表された。高校野球ドットコムでは、各候補校の推薦理由と地区選考状況を1校ずつ紹介をしていく。第5回は東海地区の豊橋工を紹介!

 東海地区:豊橋工業(愛知・県立)

・高校別データ:豊橋工
・学校創立:1944年 生徒数:817人(男子772,女子45)
・野球部創部:1947年 部員数:33人 甲子園:出場経験なし
秋季愛知大会3位、東海大会1回戦 

【推薦理由】

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東海大会へ導く好投を見せたエースの森奎真投手

 昭和19年(1944年)に豊橋市立工業学校として創立され、昭和27年(1952年)に現在の校名となり、今年で創立71年を迎える。機械科、電気科、電子工学科、電子機械科、土木科、建築科があり、「ものづくり愛知」を代表する工業高校の雄として、過去5年間で国公立大学へ11人、企業内学園に125人が進学、県内大手企業や地元企業に多く就職するなど、地域工業発展の中心的役割を担っている。

 野球部は昭和22年(1947年)に創部。近年は県大会に5期連続で出場するなど安定した成績を残している。

 グラウンドはラグビー・サッカー・ハンドボール・陸上部・定時制課程体育授業と共有し、平日の練習内容は内野守備とブルペンでの投球練習、ゲージやバックネットを利用した打撃練習に限定される。外野守備の練習もできず決して恵まれた環境ではないが、グラウンドの様々な場所に授業で学んだ施盤や溶接技能を生かした工業高校ならではの創意と工夫が施され、効率の良い練習を積み重ねている。様々な形のネット、5ヶ所ティーができるビニールハウス、電光野球カウンター(BSO)、整備用トンボ、石を取り除くふるい、観客用椅子など、道具の多くは生徒による手作りである。また測量技術を駆使し甲子園と同じ規格のマウンドにしたり、トレーニング用ダンベルには施盤加工した金属を使用、シャドーピッチング用に木で平均台を作るなど、練習アイテムにも生徒のアイデアが詰まった工夫がされている。それらはすべて、引退した3年生が「課題研究授業」の一環として制作したもので伝統的に続いており、近隣の学校のネット修理なども出向いて行っている。これらの道具一つ一つには多くの野球部員の魂が宿っており、現役部員はその恩恵を受けて練習に励んでいる。

 学業面では工業の資格取得の学習に力を入れている、毎週徹夜で製図を仕上げる建築科の生徒や、長期休業前に3週間の溶接技能講習がある機械科の生徒などもいて、部員全員が揃わずに練習することも多い、また早朝補習に参加している生徒も多く、危険物取扱者、第二種電気工事士、測量士補などの難しい資格試験にも野球部から合格者を出しており、他の生徒の模範となっている、このような努力が認められ、野球部員は毎年大手企業に多く就職しており、愛知県の「ものづくり」を支える人材として広く活躍している。

 今年度は、春の県大会3回戦夏の大会4回戦で、現チームの主力である森奎真を擁し、東邦と2度にわたる大接戦を演じ、共にサヨナラで惜敗した。この悔しい思いを胸に、秋季大会では栄徳愛知啓成試合レポート)など私立の強豪校に競り勝った。準決勝で愛工大名電に敗れはしたものの、3位決定戦で強豪・春日丘に3対1で勝ち、創部67年で初の秋季東海大会出場を果たした。主戦の森投手は、長身から投げおろす140キロを超えるストレートと、キレのあるスライダーを武器に愛知県ナンバーワン右腕と評価されている。3位決定戦では7回の守備で右足大腿部に打球を受け、マウンド上で動けなくなったことがあった。治療のため試合が中断していた間、相手チームからも「頑張れ、森」と大声援が送られた、約15分の治療後、マウンドに戻った森投手が感謝の意を表して相手応援団に向かって礼をし、球場が温かな空気に包まれた場面があった。森投手は痛みを耐えてその試合を1失点で完投勝ちし、チームは東海大会に出場することができた。

 実力向上の背景には、地道な取り組みで培った人間的な成長がある、部員一丸となって「野球ができることに、感謝の気持ちをもって活動しよう」、「すべての人に認められ、感動を与えることのできる野球部を目指そう」を合言葉に「礼儀と感謝の心」を重んじ、学校だけでなく試合会場での気持ちのいい挨拶や会場周辺の清掃活動を行い、その気持ちを行動で示してきた。またほぼ毎朝行っている学校周辺の清掃活動は、当初は練習の一環として行っていたが、数年前より自主的となり今では部員たちの日課となっている、今年度、この活動を温かく見守ってくださる近隣住民の推薦により、同校が一般社団法人日本善行会から「日本善行賞」の全国表彰を東京の明治神宮で受けた。地域の方々から野球部の日頃の活動への高い評価をいただいたことに厚く感謝をしている。

【地区選考状況】

 東海地区役員会で各県の21世紀枠推薦校の推薦内容の説明がなされ、諸条件の審議及び意見交換をして結果、豊橋工が満場一致で選出された、グラウンドの使用スペースの制限がある中で、工業高校ならではの創意と工夫が施された道具や用具で練習を積み重ね、創部以来初の秋季東海大会に出場したこと、近隣住民の推薦により「日本善行賞」の全国表彰を受けたことなどが評価された。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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