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第95回全国高校野球選手権大会展望 甲子園に集結した逸材たち(野手編)

2013.08.08

第95回全国高校野球選手権大会展望 甲子園に集結した逸材たち(野手編) | 高校野球ドットコム

大阪桐蔭・森が開幕日から登場!きらめく野手の逸材たち

 野手は大阪桐蔭(大阪)の森 友哉(3年)が開幕日から登場。昨夏は2本塁打を放ち、バットコントロールだけではなく、パワフルな打撃も披露した森。今年の大阪大会では1本塁打、打率.444と高打率を記録。駒大苫小牧(南北海道)以来の8年ぶりの甲子園夏連覇を目指し、過去最高のパフォーマンスを見せたい。大阪桐蔭では森だけではない。潜在能力高い逸材が揃うのだ。森とともにクリーンナップを打つスラッガー・近田 拓矢(3年)、森と共に昨年の選抜で活躍を見せた勝負強い打撃と甲子園通算3本塁打の笠松 悠哉(3年)、堅実な遊撃守備を誇る水谷 友生也(3年)は打率.417を記録。守れて打てる遊撃手として存在感を示したい。開幕戦に登場する大垣日大(岐阜)の横江 大聖(3年)は180センチ75キロの大型捕手。強肩と巧みなリードで投手陣を牽引する。

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森友哉選手(大阪桐蔭)

 大会2日目は今大会屈指の右のスラッガーは聖光学院園部 聡(3年)だ。今年の選抜ではバックスクリーン弾を打ち込んでいるパワーヒッター。福島大会では3本塁打を放ち、評判通りの長打力を発揮。自慢の長打力をラストサマーでも発揮したい。対する愛工大名電(愛知)は昨年から主軸打者として活躍する俊足巧打の中野 良紀(3年)、打率.538と高打率を記録した左の巧打者・遠田 幸輝(3年)に注目だ。

第2試合に登場する2年連続出場の鳥取城北(鳥取)は5番に座る強肩強打の捕手・鳥飼 力斗(3年)がキーマン。4年ぶり出場の熊本工(熊本)は1年生ながら主軸を打つ高木 栄志(1年)は熊本大会決勝戦で本塁打を放ち、甲子園でも自慢の打棒を発揮することができるか。第3試合に登場する修徳(東東京)は6試合コールド勝ち、6本塁打の長打力で勝ち上がってきた。その中心が3本塁打を放った走攻守三拍子揃った飯野 周太(3年)、勝負強い打撃が売りの強肩捕手・山下 竜治(3年)に注目だ。チーム最多の14打点を記録した右打者・小林 滉(3年)と能力の高い打者が多いのが特徴だ。16年ぶり出場の大分商(大分)は4番ながらチームトップの打率.529、9盗塁を記録した福地 隼人(3年)に注目だ。

 第4試合に登場する北照(南北海道)は右、左に打ち分ける巧みなバットコントロールとチームトップ4盗塁を記録した俊足が持ち味の吉田 雄人(3年)、1.9秒前後の強肩とパワフルな打撃が光る小畑 尋規(3年)がキーマン。対する常総学院(茨城)は4本塁打、11打点と長打力と勝負強さを発揮した大型捕手・内田 靖人(3年)、動きの良い守備が光る吉沢 岳志(3年)、昨年から主軸を務める左の巧打者・髙島 翔太(3年)とこちらもタレント揃いの布陣である。

  大会3日目第1試合に登場する星稜(石川)は打率.176に終わったが、思い切りの良い打撃と強肩を生かした遊撃守備が光る北村 拓己(3年)に注目。鳴門(徳島)は4番に座る伊勢 隼人(3年)は長打力、バットコントロールの良さを兼ね備えたスラッガー。第2試合に登場する作新学院(栃木)は1年夏から正捕手の山下 勇斗(3年)に注目。攻守でチームを引っ張り、3年連続のベスト8以上を目指す。

 第3試合に登場する帯広大谷(北北海道)は7番打者ながら打率.524を記録した角 雄平(3年)に注目。174センチ85キロと恵まれた体格をしたサードである。第4試合に登場する選抜覇者の浦和学院(埼玉)から俊敏な動きで、難しい打球をアウトにするショートストップ・竹村 春樹(3年)、選抜で3試合連続本塁打を放った高田 涼太(3年)、強肩な中堅守備と対応力の高い打撃が光る山根 佑太(3年)。仙台育英(宮城)は準決勝、決勝で2試合連続本塁打を放った左のスラッガー・上林 誠知(3年)、巧みなバットコントロールが光る小林 遼(3年)俊敏且つ正確な遊撃守備と思い切りの良い打撃が光る熊谷 敬宥(3年)に注目だ。

[page_break:横浜の高濱、浅間のコンビに注目!]

横浜の高濱、浅間のコンビに注目!

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武田竜樹選手(上田西)

大会4日目に登場する初出場の上田西(長野)はチームトップの5盗塁を記録した武田 竜樹(3年)、チームトップの10打点を記録した強打の一塁手・佐藤 辰徳(3年)、攻守ともに抜群の高い身体能力を活かしたプレーが光る宮沢 義也(3年)の3人がキーマン。2年連続出場の木更津総合(千葉)は1年生ながらショートのレギュラーを獲得した檜村 篤史(1年)は曲者だ。チームトップの8打点を記録し、非常に頼もしい打者である。そして2本塁打を放った谷田 涼(3年)の打棒にも注目だ。

第2試合に登場する沖縄尚学諸見里 匠(3年)は動きの良い守備が光るショートストップ、181センチ82キロと恵まれた体格から強烈な打球を飛ばす名嘉 昇司(3年)も面白い存在だ。

第3試合に登場する玉野光南(岡山)は打率.563と高打率を記録した藤本 拓(3年)がチームを牽引。対する弘前学院聖愛(青森)は投打の柱・一戸 将(3年)は青森大会で打率.611と高打率を記録。2本塁打を放ち長打力も見逃せない。第4試合に登場する石見智翠館は島根大会で7本塁打を記録。186センチ86キロと恵まれた体格をしたスラッガー・斉藤 翔太(3年)に注目だ。

大会5日目に登場する前橋育英(群馬)は逆方向にも強い打球を打てるショートストップ・土谷 恵介(3年)。岩国商はエース高橋をリードする栗栖 徹(3年)が攻守で牽引。第2試合に登場する2年連続出場の佐世保実(長崎)は投手としては最速146キロを投げ、さらに長打力を秘める山口 晃(3年)、打率.650を記録した大型右打者・田崎 稔季(3年)に注目。対する樟南(鹿児島)から攻守で牽引する4番捕手・緒方 壮助(3年)に注目。第3試合に登場する自由ケ丘(福岡)から打率.429、1本塁打、7打点を記録した田中 大介(3年)。3年ぶりの出場の延岡学園(宮崎)は4番岩重 章仁(3年)は1年春の九州大会で2本塁打を放ったスラッガー。この夏は恵まれた長打力を発揮し、1本塁打、10打点、打率.526を記録した。

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高濱祐仁(横浜)

大会6日目第1試合に登場する丸亀(香川)は主将で核弾頭を務める車谷 康太(3年)がチームを牽引。対する横浜松井 裕樹桐光学園)から本塁打を放った高濱 祐仁(2年)、浅間 大基(2年)に注目。高濱は強打の右打ち遊撃手として、浅間は抜群の俊足を活かした守備と長打力を兼ね備えた外野手として注目したい。

第2試合に登場する日大山形(山形)は打率.667と高打率を記録する大型遊撃手・奥村 展征(3年)はスピード感あるプロ注目の遊撃手。甲子園で評価を高められるか。対する日大三(西東京)は昨年から出場する主将の森 龍馬(3年)、チームトップ3本塁打を放った佐々木 優(3年)とパワーヒッターが多い。自慢の長打力を魅せたい。

第4試合に登場する明徳義塾(高知)は宋 皞均(3年)は昨夏の甲子園でバックスクリーン弾を放ったスラッガー。この夏も自慢の長打力を発揮し、甲子園にアーチを描くことができるか。

大会7日目に登場する秋田商(秋田)は昨夏から主力の杉谷 汰一(3年)がチームをけん引。172センチだが、パワフルな打撃が魅力だ。対する富山第一(富山)は191センチ88キロと恵まれた体格を誇るスラッガー・幸山 一大(2年)の打撃に注目が集まる。済美(愛媛)と対する三重(三重)は1年夏からレギュラーで巧みなバットコントロールが良い長野 勇斗(2年)に注目。

最後に登場する常葉菊川(静岡)は選抜で本塁打を放った強打のショートストップ・遠藤 康平(3年)、唯一の本塁打を放った桒原 樹(2年)。セカンドに転向し、強打の二塁手として存在感を示す。

スター選手だけではない。それぞれの代表校にきらめく逸材がいる。ぜひ49校の代表校の選手たちは全力で力を尽くして、光るモノを見せてほしい。たとえ負けたとしても、全力でプレーし、力を発揮すれば、次の世界へつながる。記念すべき第95回大会で、歴史に名が残る大会になることを期待したい。

 

(文・河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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