第55回 【21世紀枠】最終候補9校の推薦理由と地区選考状況2012年12月15日

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【目次】
[1]北海道:遠軽(北海道・道立) 東北:いわき海星(福島・県立) 関東・東京:日立一(茨城・県立)
[2]東海:豊川(愛知・私立) 北信越:五泉(新潟・県立) 近畿:堀川(京都・府立) 
[3]中国:益田翔陽(島根・県立) 四国:土佐(高知・私立) 九州:門司学園(福岡・県立)

東海:豊川(愛知・私立)

・高校別データ:豊川
・学校創立:1928年 生徒数:1193人(男子723,女子470)
・野球部創部:1946年 部員数:89人 甲子園出場:経験なし
秋季愛知県大会準優勝 秋季東海大会1回戦 

【推薦理由】
豊川稲荷が学園母体。曹洞宗管長で大本山永平寺貫主の福山諦法禅師が前理事長を務めていた誇りある学園である。
その類なき誇りを胸に「和敬・信愛・利他・報恩」の校訓の下、学習と野球道の両立に向け部員たちは日々努力を重ねている。「心を整える」ことを柱に、高校生の基本たる容儀服装、挨拶、そしてマネーの徹底。また、宗教の授業における座禅を通しての自己の振り返りなど「人としてどう生きるか、どう社会に貢献できるか」を大切にし、常に考え行動している。

森口練太郎(豊川)

グラウンド、スタンドでの明るく爽やかな部員たちの姿は、まさに校訓の具現化であり、幅広い視野に立って、物事を見ることのでこる人材育成を目指している。野球部は60年余の歴史があり、毎朝、部員は7時に部訓を全員で言葉に出して言うことから始まる。また、毎朝校内の2箇所にある門においての挨拶運動や学校前の交通量が多い交差点で交通安全指導を行うなどして、日々の練習と生活に打ちこんでいる。

オフシーズンには、市内にある身体障害者施設を慰問して、部員全員でのガラス拭きや落ち葉集めなどの清掃活動を行うとともに、風船バレーボールや「ボッチャ」という競技を入所者の方々と一緒に行っている。

施設の方々からはお礼のみならず甲子園出場を楽しみにしているなどの激励の言葉をいただいておち、部員にとっても楽しみな行事となっている。

【地区選考状況】
東海4県から推薦された候補校は、甲乙つけがたく選考には大変苦慮した。
静岡・大井川は来年度が統廃合の対象で現校名は最後。粘りあるチームで高校野球の手本となるチームだった。三重・津商は大正9年創立で、女子生徒が増えて野球部の活動ができない状況に陥ったが、近年は指導者と学校の努力で部員確保を行い、陸上部やソフトボール部との共有グラウンドながら限られた施設の中で工夫して2年連続秋季東海大会に駒を進めた。
岐阜・長良は普通科進学校として学業と部活動を両立し、大学へ進学して将来高校野球の指導者を目指す生徒が多くいる。練習時間も限られた中で県大会ベスト8に入り候補校となった。愛知・豊川は宗教の授業から社会貢献を学び、ボランティア活動で身体障害者施設の慰問を行ったり清掃活動に力を入れて心の触れ合いを大切にしている学校。今年のチームは東海大会で惜敗し悔しい思いをした。
以上の4校を審議した結果、力に優り、高校生らしいグラウンドでの動きを評価して東海地区候補を豊川と決定した。

北信越:五泉(新潟・県立)

・高校別データ:五泉
・学校創立:1921年 生徒数:759人(男子365,女子394)
・野球部創部:1963年 部員数:28人 甲子園出場:経験なし
秋季新潟県大会ベスト4 秋季北信越大会1回戦 

【推薦理由】
1921年に五泉農商補修学校として創立、2012年に創立90周年を迎えた歴史と伝統を持つ。総合学科19級からなる共学の公立校。昨年度実績で4年生大学125名、短大29名の合格者を輩出。生徒の約55%が進学し、約35%が専門学校、約15%が就職と、総合学科の特長を生かした自らの進路希望実現に成果をあげている。
同校はほぼ全員が部活動をしており、スポーツ部、文化部いずれも活発に活動している。中でも陸上競技部、弓道部、女子ソフトボール部、吹奏楽部はインターハイをはじめ上位大会へ出場をするなど県下の強豪校として多くの実績を残している。

秋季新潟県大会 決勝 観戦記事より

「地域に支えられ、地域と共に歩む地域密着型高校」を目指しており、野球部においては毎年、五泉市主催の「青少年育成協議会スポーツ大会」や「マラソン大会」、「市民音楽祭」等で機材運搬、審判等、裏方として運営面に協力するなど、地元地域の文化・スポーツ活動に多大な貢献をしている。

野球部は「みんなで・笑顔で・全力で」をモットーとしており、何事にも常に「全員」で取り組む姿勢が浸透している。強豪校にチーム一丸となって立ち向かう姿は他校の模範となっており、今秋季大会においてもその姿勢をつら向き、粘り強い戦いで結果を残した。

監督の後藤桂太氏は保健体育科教諭。専門種目は野球だが、前任校では女子バレーボール部の監督として指揮を執った。また、新潟県の教科研究員を2年連続で務め、県の教科研修会において研究成果を発表するなど、部活動指導だけでなく、授業研究や生徒指導でも卓越した能力を発揮している。
1991年春の新潟大会初優勝以来、公立の強豪校として度々上位に進出しており、野球部を応援する市民にとってに甲子園出場は悲願である。

【地区選考状況】
北信越5県の候補校を協議する中で、環境美化への取り組みが顕著な石川・大聖寺、通算3度目の選出となる長野・諏訪清陵、そして新潟・五泉の3校が候補に残った。
その中で、継続的な地域貢献やあと一歩での敗戦となった試合ぶりが評価され、最終的に五泉高校が満場一致で地区推薦校に選出された。

近畿:堀川(京都・市立)

・高校別データ:堀川
・学校創立:1908年 生徒数:751人(男子420,女子331)
・野球部創部:1948年 部員数:41人 甲子園出場:経験1回(1956年春)
秋季京都府ベスト16  

【推薦理由】
1908年に創立された京都市立堀川高等女学校を前身とし、1948年の学制改革により普通・商業・家庭・音楽の4科をもつ京都市立堀川高校となった。その後、商業と家庭科が廃止、音楽科が独立(現・京都市立堀川音楽高等学校)し、普通科のみの高校となった。
指揮者の佐渡裕氏、バイオリニストの葉加瀬太郎氏などの音楽家や、俳優の故・藤田まこと氏、服飾デザイナーの市田ひろみ氏、弁護士で元法務大臣官房長の堀田力氏、拉致被害者家族の中心として救済を訴えている横田早紀江氏、現京都市長の門川大作氏なども堀川高校の卒業生である。
堀川高校は、『市立高校改革のパイロット校』として、1999年、普通科に加え探求科(人間探求科・自然探求科)を新設。探求科は、探究心や想像力を有する21世紀の科学・文化の担い手を育成することを目標として、大学での高度な専門研究に向けた基礎能力を培う専門学科としてスタートした。現在では地元の京都大学に毎年現役で30~40名合格し、全国で『堀川の奇跡』と注目されてきた。2002年、文部科学省から『スーパーサイエンスハイスクール(SSH)』に指定され、その後も2005年、2010年と指定を受け、現在3期連続のSSH研究指定校となり、『コアSSH採択校』となっている。
校訓『立志・勉励・自主・友愛』に基づいて、想像力と創造力に富み、判断力と行動力を備えた『自立する18歳』の育成を図るたけ、『豊かな学校』を構築することを最高目標としている。

野球部もこの考えに沿って、何の特別待遇も受けない真の文武両道を目指している。毎朝実施している校内外の清掃、そして校内に響き渡る「おはようございます」という野球部員の挨拶で一日が始まると言われている。1956年の第28回選抜高校野球大会に出場し、ベスト8に進出。現在部員は41名いるが、7~8年前は部員も10~13人程度で練習試合では10点差以上で敗れることも多く、2対42で敗れた時もあった。「今できることをしよう」と選手と涙しながらミーティングを行い、その時に始まったのが元気ある大声とグラウンド内での全力疾走であった。
「京都一元気のあるチームになる」を合い言葉に今日まで歩んできた。

【地区選考状況】
近畿各府県から、それぞれ21世紀枠にふさわしい高校が推薦され激論を極めた。その中で、学業に大いに力を入れ、その成果を十分に発揮すると同時に学校行事にも積極的に参加し、その上で元気一杯のはつらるプレーで観ている人たいに感動を与える堀川をまさしく『文武両道』『最も21世紀枠にふさわしい高校』として、最終的に満場一致で近畿地区からの推薦校に決定した。

【次のページ】 益田翔陽、土佐、門司学園

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土佐vs高知西【高知県 2018年夏の大会 第100回選手権高知大会】
いわき海星 【高校別データ】
遠軽 【高校別データ】
五泉 【高校別データ】
土佐 【高校別データ】
豊川 【高校別データ】
豊川工 【高校別データ】
日立一 【高校別データ】
堀川 【高校別データ】
益田翔陽 【高校別データ】
門司学園 【高校別データ】

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